平成19年2月15日
東京電力株式会社
当社・福島第二原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、
平成18年9月21日より第14回定期検査を実施しておりますが、平成18年11月15日に
実施した非常用ガス処理系*1の放射性気体廃棄物の定例分析において、測定に必
要なサンプリングができていないことが判明いたしました。
非常用ガス処理系の運転時には、保安規定第89条(放射性気体廃棄物の管理)に
おいて、希ガス、よう素および粒子状の放射性物質濃度の測定を行うこととなって
おりますが、当該系統のサンプリング装置改造工事において、サンプリング用のフ
ィルタを系統から切り離していたため、一時的*2によう素および粒子状の放射性
物質濃度の測定を行うことができませんでした。
このため、本事象については、保安規定に抵触するものと考え、原因について詳
細な調査を行っておりました。
なお、本事象による外部への放射能の影響はありませんでした。
(平成18年11月15日お知らせ済み)
調査の結果、本事象は、当該設備の状態を監視するグループ(以下、「監視部門」)、
当該設備を工事・修理するグループ(以下、「工事部門」)、および放射性物質の
濃度を測定するグループ(以下、「測定部門」)の間で情報共有ができていなかっ
たことが原因でした。その詳細は以下の通りです。
・ 監視部門および工事部門は、自部門が管理している設備に関する機能および保
安規定上の要求事項については理解していたが、工事部門の行う工事内容が測
定部門の実施しているよう素および粒子状の放射性物質濃度の測定に影響する
ことに注意を向けていなかった。
・ 保安規定に係る設備の工事を行う場合に、測定部門がその工事内容を確認する
仕組みがなかった。
・ 改造工事の内容について、工事部門から測定部門へ伝えるべき項目が決まって
いなかった。
これらの調査結果を踏まえ、以下の事項をマニュアルに記載するとともに関係者
に周知し、再発防止に努めてまいります。
・ 保安規定第89条に定める設備(排気筒などに係る放射線モニタなど)の保守を
担当する工事部門は、測定部門の承認を得た後に作業を行う。
・ 第89条以外の保安規定に係る設備のうち、当該設備と同様に、所掌する部門が
異なる設備を抽出し、抽出された設備に係る改造工事等を行う際に、工事部門
は測定部門の承認を得た後に作業を行う。
以 上
*1:非常用ガス処理系
原子炉冷却材喪失事故時等に、原子炉建屋に漏出してくる放射性物質が、非
常用ガス処理系の高性能フィルタを介することにより建屋から直接大気へ放
出されることを防ぐための系統。
*2:一時的
平成18年11月11日および12日に、合わせて約7時間、よう素および粒子状の
放射性物質濃度の未測定期間があった。
添付資料
・4号機 非常用ガス処理系 系統概略図(PDF 25.5KB) |