平成18年3月7日
東京電力株式会社
当社・福島第一原子力発電所3号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、平成18年2月22日より点検停止*1中ですが、3月3日より、原子炉内から取
り出したハフニウム板型制御棒*2(18本)のうち、比較的熱中性子照射量の高い
制御棒2本(熱中性子照射量約5.3×1021n/cm2)について外観確認を実施してい
たところ、1本の制御棒にシース部*3のひび、もう1本の制御棒にシース部およ
びタイロッド部*4のひびとシース部の一部に欠損を確認いたしました。
(平成18年3月3日お知らせ済み)
その後、残りの制御棒(16本)について外観点検を行った結果、本日までに新
たに3本の制御棒(熱中性子照射量約5.0×1021n/cm2以上)のシース部にひびが
認められました。一方、タイロッド部のひび等は確認されませんでした。
また、制御棒の外観点検において確認されたシース部の欠損部分については、
3月4日に原子炉内の当該制御棒案内管*5内より回収し、翌5日に形状が欠損部
と一致することを確認いたしました。
今回確認されたひびおよび欠損が生じた原因については、今後、調査いたしま
す。
なお、今回取り出したハフニウム板型制御棒(18本)につきましては、ボロン
カーバイド型制御棒*6に取り替えを行っております。
今回の点検結果につきましては、指示文書*7に基づき、本日、経済産業省原子
力安全・保安院へ報告いたしました。
以 上
*1 点検停止
原子炉再循環ポンプ(B)軸封部(メカニカルシール)のシール性が低
下したことから、当該軸封部を取り替えるため、2月22日午前8時3分、
原子炉停止。
(平成18年2月20日お知らせ済み)
*2 ハフニウム板型制御棒
高い中性子吸収能力を有するハフニウムを使用した制御棒で、ボロンカ
ーバイド型制御棒よりも寿命が長い。
*3 シース部
ハフニウムを包んでいる金属板。
*4 タイロッド部
シース、ハンドル等を接続している構造部材。
*5 制御棒案内管
制御棒を引き抜いた際に制御棒を収納する管。
*6 ボロンカーバイド型制御棒
高い中性子吸収能力を有するボロン(炭化ホウ素)を使用した制御棒。
*7 指示文書
「制御棒のひび等に関する点検について」(平成18・01・19原院第1号)
現在運転中の原子炉にあっては、ハフニウム板型制御棒について速や
かに動作確認を行うこと等により、その機能について確認し、その結果
について速やかに報告すること。また、至近の定期事業者検査において
当該制御棒のひびおよび破損の有無について確認し、その結果について
報告すること。(抜粋)
添付資料
・3号機ハフニウム板型制御棒の外観点検結果(PDF 34.9KB)
・福島第一原子力発電所3号機ハフニウム板型制御棒の外観点検結果(PDF 11.7KB) |