プレスリリース 2004年

福島第一原子力発電所2号機の原子炉再循環ポンプ(B)停止にともなう原子炉手動停止に関する原因と対策について

                             平成16年10月29日
                             東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所2号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、定格出力にて運転中のところ、平成16年9月29日午前8時34分、原子炉再循環
ポンプ*1(B)「インバータ(B)重故障」の警報が発生し、当該ポンプが自動
停止したため、発電機出力が約54万キロワットまで低下しました。
 また、同日午前11時34分、原子炉再循環ポンプ(A)「インバータ(A)軽故障」
および「再循環流量制御盤故障」の警報が発生したことから、原因調査を行うため、
原子炉を停止いたしました。(9月29日お知らせ済み)

 原子炉再循環ポンプ(B)電源装置(インバータ)を調査したところ、インバー
タの主回路部品(GTO*2)2つおよびこれを制御する制御基板内の部品(パワ
ートランジスタ*3)1つの損傷が確認されました。
 インバータが故障した原因は、パワートランジスタ製造時に偶発的に発生した絶
縁の不十分な箇所が使用中に進展し、内部で短絡事象が発生したため、その影響を
うけてGTO2つも損傷したものと推定いたしました。
 また、原子炉再循環ポンプ(B)および同電動機には異常は認められませんでし
た。
 対策として、損傷したGTOならびにパワートランジスタを交換するとともに、
念のため、他のGTOを制御しているパワートランジスタについても交換いたしま
した。当該パワートランジスタの交換にあたっては、今回および今後とも、より厳
しく品質管理したものを使用することといたします。

 なお、原子炉再循環ポンプ(A)系で発生した警報については、設計上、原子炉
給水流量の低下にともない発生しうる警報であり、運転操作、設備上の問題はあり
ませんでした。

 2号機については、準備が整い次第運転を再開する予定です。

                                  以 上


*1 原子炉再循環ポンプ
    原子炉圧力容器の中の水(冷却材)を循環させるポンプで、運転中はポンプ
   の回転数(スピード)をインバータで制御することにより、原子炉の出力をコ
   ントロールしている。このポンプは2台設置されている。

*2 GTO(ゲート ターン オフ サイリスタ)
    半導体の一種で、スイッチの役目があり、信号を加えることで電流を入り切
   りできる機能を有している。

*3 パワートランジスタ
    大電流を高速で入り切りできるトランジスタで、当該装置ではGTOに加え
   る信号のオン・オフ制御に使用している。


添付資料
・福島第一原子力発電所2号機原子炉再循環ポンプ制御の概要図(PDF 73.5KB) 


pdfデータをご覧になるにはAcrobatリーダーが必要です。 アクロバットリーダー



	

	



			
			
		

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