そして、ある春。クータンは、冬みんしたままおきてきませんでした。
「お母さん、クータンがおきてこないよ。どうしたんだろう?」
ブーナンは、なきながらお母さんに聞きました。
「ブーナン、わたしたちは何百年もいきるのよ。
クータンたちは、どんなに長生きしても20年くらい。
いつかおわかれしなくちゃいけないの。」
ブーナンは、なきじゃくりながら言いました。
「だってぼく、おんがえしするってやくそくしたんだ。
それなのに、まだ何にもしてないんだ。
あんなにたすけてもらったのに。」
お母さんが、やさしく言いました。
「じゃあ、クータンにおんがえしできなかった分は、
クータンの子どもや、またその子どもにしてあげなさい。
お母さんもそうしてきたのよ。」