尾瀬の色づきは湿原の草紅葉(くさもみじ)から始まり、次第に山の木々にも広がっていきます。尾瀬では、このように秋の景色を2度楽しめます。先週はまだ緑の多かった森は、週末の冷え込みで一気に色づき、紅葉の見頃を迎えました。
写真(1)は鳩待峠~山ノ鼻の登山道です。
この辺りは、ブナやシラカバ、ダケカンバなど、葉が黄色く変化する樹木が多いため、“黄葉”を楽しむことができます。そして鮮やかな黄色から褐色(茶色)に変化していき、本格的な冬にむかって落葉します。
ちなみに、1本の木のなかでも、日中の日の当たり方や夜間の冷え込みなどの条件によっては、部分的に葉が赤く色づくこともあります。
(1)黄葉が鮮やかな鳩待峠~山ノ鼻の登山道
(2)池塘に浮かぶヒツジグサと、徐々に黄色味を増している木々
そして、前回のvol.29でご紹介した、ピンク色の実をつけた「マユミ」は、果皮が4つに割れて真っ赤な種子が顔を出しました。
(3)ピンクの実から赤い種子が顔をのぞかせた、山ノ鼻地区の「マユミ」
尾瀬では、このところ早朝と昼間の寒暖差が大きくなってきました。最低気温は0℃を下回ることもあり、日中の最高気温も12℃ほど。雨が降って風が吹くと、体感温度はさらに低くなります。
この寒暖差が紅葉を鮮やかにしてくれるので、ちょうど今、尾瀬ヶ原周辺の山々は紅葉した木々が秋空に美しく映えています。
まもなく、今年のシーズンは終わりを迎えます。尾瀬にいらっしゃる際は、防寒着や手袋をお忘れのないよう、お願いします。