尾瀬は、9月下旬から朝晩の気温が10℃を下回りはじめ、草木が秋色に染まる紅葉の季節がやってきました。
その中でも、先陣を切って黄金色に色づき始めたのは、湿原の草紅葉(くさもみじ)。湿原全体が色づき、黄金色の草紅葉が爽やかな秋風にそよそよと揺れる景色を眺めると、まるで風の谷のナウシカの世界に降り立ったかのようです。
今年の夏は、例年より気温の高い期間が長かったため紅葉の始まりが遅く、尾瀬ヶ原では10月上旬まで草紅葉を楽しめそうです。
また、尾瀬ヶ原の木道の両サイドには、群馬県の県花である「レンゲツツジ」の葉が赤みを増してきた姿を見ることができます。レンゲツツジの赤い葉と黄金色の草紅葉とのコントラストが美しく映えます。
そして、夏に花盛りを迎えた植物は、次々と実を結んでいます。
鳩待峠から山ノ鼻までの樹林帯に自生している「ゴゼンタチバナ」は、茎先に葉が4枚の時には花がつかず、葉が6枚になると株の中央に白い花びらに見える装飾花があり、その中心に小さな花を咲かせます。花が終わると、5~8個ほどの小さな赤い実をつけます。
夏に小さな黄緑色の花を咲かせる「マユミ」は、ピンク色の実と赤い種が特徴的で、女性ハイカーから「かわいい~!!」の声援がたえまなく注がれる、秋の人気者です。
同じニシキギ科の「マユミ」によく似た「ツリバナ」は、その名の通り枝から吊り下がるように赤い実をつけます。
一足早い行楽シーズン、彩り豊かな秋の尾瀬に足を運んでみてはいかがでしょうか。
※お越しの際は防寒対策をお忘れなく!
尾瀬ヶ原の草紅葉。池塘にあるヒツジグサも赤く紅葉し始めています。
紅葉し始めたレンゲツツジ。
赤い実をつけたゴゼンタチバナ
ピンク色の実をつけたマユミ。このあと、葉も赤く紅葉していきます。
枝から吊り下がった実が特徴的なツリバナ