尾瀬の入山には、群馬県側の「沼田ルート」、新潟県側の「越後ルート」、福島県側の「会津ルート」の3つのアクセスルートがあります。
福島県側の玄関口である檜枝岐村(ひのえまたむら)には、親から子へと江戸時代から脈々と受け継がれる「檜枝岐歌舞伎」という伝統芸能があり、役者から裏方まで全て村民の方々によって行われています。「檜枝岐の舞台」は1976年(昭和51年)に国の重要有形民俗文化財に指定されました。
5月12日、檜枝岐歌舞伎を伝承する千葉之家花駒座によって「愛宕神祭礼奉納歌舞伎」が行われました。演目は、織田信長の最期を描く「絵本太功記 本能寺の段」。乱世を生きる人間模様をきめ細やかに演じた舞台に、観客からはたくさんの拍手が送られました。
270年の伝統がある「檜枝岐歌舞伎」は、江戸時代後期に村人がお伊勢参りの折、上方や江戸で見聞きした歌舞伎を村の娯楽に取り入れたのが始まりと言われています。
檜枝岐歌舞伎は、今回ご紹介した5月「愛宕神祭礼奉納歌舞伎」を含め年3回、屋外の石段を観客席にして、黄昏時から上演されます。今後、8月は「鎮守神祭礼奉納歌舞伎」、9月は「歌舞伎の夕べ」が予定されていますので、尾瀬ハイキング、桧枝岐温泉宿泊とあわせて計画されてはいかがでしょうか。
開場時間を過ぎると続々と観客が集まります
日が落ちると満席に
舞台清め「寿式三番叟」
「絵本太功記 本能寺の段」上演