尾瀬は、例年3~4mほど雪が積もる豪雪地帯にあります。過去には雪の重さで山小屋が壊れたり、電柱が倒れ停電したりと、毎年、除雪作業が欠かせません。
今年は例年の半分程度の積雪でしたが、3月上旬に除雪を行いました。
除雪作業の現場へ向かう際は、ヘリコプターやスノーモービルを使って入山します。ヘリコプターの場合は、凍った尾瀬沼や雪が降り積もった湿原に着陸します。普段は湿原に足を踏み入れることはできませんが、雪が緩衝材になるため、湿原の植物に影響なく降りることができます。そして、スキーやスノーシューで除雪作業現場等への移動や下山をします。人力での除雪と移動の繰り返しは、想像以上に体力が必要で、大変な作業です。
除雪隊は、管理している全ての小屋や施設、橋などの除雪を数日間に渡って行います。その間は、尾瀬の山小屋を一時的に開けて滞在します。滞在中は、携帯トイレを使用し、お風呂に入れず、電気も最低限の使用に抑えるなど、肉体的にも精神的にも厳しい環境下での作業となります。
しかし、この厳しい環境のなかでも心癒やされるのは、この時期ならではの静寂に包まれた白銀の世界です。我々に恵みをもたらしてくれる美しく雄大な大自然に、ただただ感謝するばかりです。
尾瀬沼山荘 これでも今年は小雪
この時期、尾瀬沼は湖面の上を渡れます
尾瀬沼湖畔でのひと時
尾瀬沼のシンボル、三本カラマツ
配電線の支線を雪の沈降圧から守る支線除雪