トップページ > リリース・お知らせ一覧 > プレスリリース > 福島第一原子力発電所の状況について(日報) > 2014年 >
福島第一原子力発電所の状況について(日報)
平成26年4月14日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
※下線部が新規事項
※各建屋の滞留水については、水位管理をしながら移送を実施しており、サイトバンカ建屋の滞留水は適宜、プロセス主建屋へ移送している。
4月10日頃から適宜、サイトバンカ建屋からプロセス主建屋への移送を行う中、サイトバンカ建屋内の水位上昇およびプロセス主建屋の水位低下が確認された。
本来とは逆の水位変動が確認されたことを受け、4月12日より現場調査を行っていたところ、集中廃棄物処理施設4カ所(プロセス主建屋、高温焼却炉建屋、サイトバンカ建屋、焼却工作建屋)のうち、3カ所間において、通常使用していない以下の滞留水移送ラインに設置してある仮設ポンプ(4台)が運転中であることがわかった。
・プロセス主建屋(1台)からサイトバンカ建屋
・プロセス主建屋(1台)から焼却工作建屋
・焼却工作建屋(2台)からプロセス主建屋
(通常は、プロセス主建屋、高温焼却炉建屋に移送を行い、原子炉注水のための水処理設備による処理を行っている。)
このため、4月13日午後5時2分から午後5時22分にかけて、仮設ポンプ4台を停止し、滞留水の移送を停止。また、仮設ポンプ停止前後に各移送ラインを確認し、漏えい等の異常がないことを確認。
現場の状況を確認したところ、焼却工作建屋地下1階の全域(焼却建屋:約23m×約40m×深さ約20cm、工作建屋:約19m×約57m×深さ約5cm)に滞留水が広がっていることを確認。
焼却工作建屋については、通常時において滞留水を貯留していないことから、プロセス主建屋内の滞留水が焼却工作建屋内(管理区域内)に流入したことにより、建屋床面に汚染した水が広がったものと判断した。
プロセス主建屋内の滞留水については、4月8日の分析結果から以下の通り。
・セシウム134:1.0×107Bq/L
・セシウム137:2.7×107Bq/L
本件については、汚染水の分析結果と広がり範囲から、4月13日午後10時15分に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断した。
焼却工作建屋地下1階については、建屋図面を確認したところ建屋外へ貫通している箇所はないこと、および焼却工作建屋周辺にあるサブドレン水の分析結果に有意な変化は見られていないことから、現時点で焼却工作建屋から外への漏えいはないものと判断している。
なお、焼却工作建屋地下1階に溜まった滞留水については、広がりの範囲(深さ)に変化がないことを継続監視し、建屋外への漏えいがないことを確認していく。
その後、焼却工作建屋地下1階の広がりの範囲(深さ)が、以下のとおり前回確認時より変化がないことを確認。
・焼却建屋:深さ約20cm(変化なし)
確認時間4月14日午前2時35分(前回確認時間4月13日午後8時30分)
・工作建屋:深さ約5cm(変化なし)
確認時間4月14日午前2時50分(前回確認時間4月13日午後9時20分)
焼却工作建屋地下1階に流入した滞留水については、準備が整い次第、プロセス主建屋へ移送する予定であるが、移送前の準備として、4月14日午前3時、移送ラインに漏えい等の異常がないことを再度確認。
また、焼却工作建屋地下1階の広がりの範囲(深さ)については、前回確認時より変化がなく、建屋外への漏えいがないことを、以下のとおり確認したことから、4月14日午後1時1分、焼却工作建屋からプロセス主建屋への移送を開始。なお、移送開始後に作業員により現場で目視点検を実施し、移送ラインに異常がないことを確認。
・焼却建屋:深さ約18cm(※)
確認時間4月14日午後0時15分(前回確認時間4月14日午前2時35分)
※詳細に測定し、約20cmから約18cmと評価を修正。
・工作建屋:深さ約5cm(変化なし)
確認時間4月14日午後0時15分(前回確認時間4月14日午前2時50分)
※4月13日午後6時16分頃、福島県沖を震源とする地震(M4.9)が発生。(楢葉町:震度4、富岡町:震度3、大熊町:震度2)
地震発生後の福島第一原子力発電所における以下の設備に異常はなく、けが人も確認されていない。
・1~6号機主要パラメータ:異常なし
・原子炉注水設備(1~3号機):異常なし
・原子炉停止時冷却系設備(5,6号機):異常なし
・使用済燃料プール冷却設備(1~6号機):異常なし
・共用プール冷却浄化系:異常なし
・窒素ガス封入設備(1~3号機):異常なし
・格納容器ガス管理システム(1~3号機):異常なし
・水処理設備(多核種除去設備含む):異常なし
・滞留水移送設備:異常なし
・電源設備:異常なし
・モニタリングポスト:異常なし
なお、観測された地震計の最大数値は以下のとおり。
・水平:4.1ガル(6号機)、垂直:4.4ガル(6号機)
※4月14日午前9時25分頃、1,2号機取水口の止水対策工事において、水素ボンベ建屋の解体作業中に重機の油圧ホースより油が噴き出していることを作業員が発見。油の漏えいは、現在止まっており、漏えいした油については吸着マットにて処理を行っており、海への油の流出はない。また、同日午前9時39分に双葉消防本部へ一般回線にて連絡を実施。
《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月12日午後3時48分~)
《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・4月13日午後1時57分、集中廃棄物処理施設において、サイトバンカ建屋からプロセス主建屋への溜まり水の移送を開始。その後、同日午後5時37分に移送を停止。
《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。
<最新のパトロール結果>
4月13日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。
<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。
《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、地下水バイパス揚水井No.1~4、海側観測孔)は継続実施中。
<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(無料)が必要です。Adobe Readerのダウンロード
© Tokyo Electric Power Company Holdings, Inc.