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福島第一原子力発電所の状況について(日報)
平成26年3月20日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
※下線部が新規事項
※3月20日午前11時9分、2号機原子炉建屋排気設備*出口ダスト放射線モニタA系の指示値が9.96×10-8Bq/cm3から2.24×10-4Bq/cm3に上昇し、「ダスト放射線モニタ高」警報が発生。その後、同日午前11時11分に指示値が通常に戻り、警報は解除した。同日午後0時現在、プラントパラメータについて異常は確認されていない。
その後、同建屋排気設備出口ダスト放射線モニタB系の指示値についても、同日午前11時9分にA系と同様に変動し、午前11時11分に指示値が戻っていたことを確認。なお、排気設備出口ダスト放射線モニタB系では、「ダスト放射線モニタ高」の警報発生には至っていない。
モニタリングポスト指示値および付近の可搬型ダストモニタの指示値に異常がないこと、排気設備出口ダスト放射線モニタの指示値が通常値に戻っていることから、周辺環境への影響はないものと考えている。
*原子炉建屋排気設備…2号機原子炉建屋には排気設備が設置されており、建屋内の空気をフィルターを通して放射性物質を除去したうえで排気している。排気の際に、排気設備出口側空気のダストの監視を行う設備(A系、B系)がある。
※3月12日午前10時から非常用窒素ガス分離装置の本格点検を開始。点検にあたり、特定原子力施設の保安第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)を適用。点検期間中は、3台ある常用窒素ガス分離装置により1~3号機原子炉圧力容器および原子炉格納容器へ窒素の供給を継続。また、非常用窒素ガス分離装置の起動が必要となった場合には、速やかに起動可能な状態に復帰することとしていた。その後、3月20日午後0時4分に点検作業が終了した。その後の動作確認に異常がないことから、非常用窒素ガス分離装置を待機状態とし、同日午後0時12分に特定原子力施設の保安第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)の適用を解除した。
《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・3月14日午前6時48分、1号機使用済燃料プール代替冷却系について、1,2号機排気筒の落下物に対する防護対策等を実施するため、冷却を停止(停止時プール水温度:12.0℃)。なお、停止期間は3月24日までを予定しており、冷却停止時のプール水温度上昇率評価値は0.066℃/hで停止中のプール水温上昇は約16.5℃と評価されることから、運転上の制限値60℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題なし。
《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水の移送を実施(平成26年3月8日午前10時5分~3月20日午前9時32分)
《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月12日午後3時48分~)
《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
※3月3日午前10時20分頃、使用済燃料ラックを点検していた当社社員が、使用済燃料プール南東側底部に金属らしき異物を発見。その後、3月19日、回収作業が終了。当該異物は、金属片(約30mm×約10mm)であり、大きさや形状から使用済燃料や設備に影響を及ぼすものではないことを確認した。
※3月10日午前11時00分頃、5号機原子炉建屋天井クレーンを動かしていたところ、当該クレーンが走行中に停止。同日午後0時36分頃、現場確認をしたところ、クレーン走行用インバータ盤の電源が停止していた。なお、当該クレーンは荷を吊っていなかった。設備損傷の情報はなく、けが人はいない。その後の現場調査において、クレーン給電装置の集電子*の一部が脱落していること、また、集電子からクレーンへ電源を供給するケーブルの一部に被覆の損傷や導体の素線切れを確認した。当該ケーブルについては、震災後に取替を実施しており、ケーブルが走行架線と干渉しないことを確認していたが、ケーブルの余長が取替前と比較し長かったこと、およびケーブルの固縛状態が適切でなかったことから、クレーン走行時の振動等でケーブルが走行架線側によれて接続ボルトと干渉し、さらにケーブル被覆がボルト頭部に引っかかり集電子がケーブルに乗り上げ脱落したため、走行用インバータへの電源供給が停止したものと推定した。3月19日、当該ケーブルおよび集電子の取替、ケーブル余長の調整・固縛箇所の追加を行ったうえで、確認試験ならびに使用前点検を実施し、クレーン機能に問題がないことを確認した。
*集電子…走行架線から駆動用の電力を受け取るための装置
《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
※残留熱除去系ポンプ吸込ライン(A系、B系共通ライン)に設置されている安全弁(F-005)の点検が終了したことを受け、タービン補機冷却水系熱交換器(C)海水出入口弁他の点検を行うため、補機冷却海水系を3月18日から24日にかけて停止する。当該期間においては、燃料プール冷却浄化系(FPC系)が使用できなくなるため、残留熱除去系による非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を行い、使用済燃料プール冷却を実施する。
3月17日午後1時50分、FPC系を停止し、同日午後2時26分残留熱除去系(RHR系)による非常時熱負荷運転を開始。なお、使用済燃料プール水温度は17.5℃と変化なし。
《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。
<最新のパトロール結果>
3月19日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12の
サンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
新たに設置した地下水観測孔G-2において、3月19日に初めて採取した地下水の全ベータの分析結果は以下の通り。
(観測孔:G-2(新規))
・3月19日採取分:全ベータ 120 Bq/L
当該エリアは汚染水が漏えいしていた箇所の近傍であり、土壌の回収作業を進めているが、回収までに若干の汚染水が土中に浸透したものと考えている。今後も監視を継続していく。
《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。
<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、地下水バイパス揚水井No.1~4、海側観測孔)は継続実施中。
※地下貯水槽No.1~3における貯水槽内部の残水について、H1東エリアタンクへの移送を適宜実施中。
<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(無料)が必要です。Adobe Readerのダウンロード
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