トップページ > リリース・お知らせ一覧 > お知らせ > 2013年 > 平成25年6月5日 朝日新聞1面 「原子炉内圧力を誤計算 東電、注水減らす」について
平成25年6月5日
東京電力株式会社
平成25年6月5日 朝日新聞1面において、福島第一原子力発電所2号機の事故直後に、原子炉格納容器の圧力を実際より約10倍高いと誤認し、それを機に原子炉への冷却水の注入を大きく減らし、冷却が不十分となり、放射性物質の放出がその分増えた可能性があるとの報道がありますが、事実関係は以下のとおりです。
<福島第一原子力発電所2号機原子炉格納容器圧力の誤認識について>
2011年3月16日午後4時56分頃に、社内のTV会議で本店側より、「2号機の 原子炉格納容器(ドライウェル)圧力が、6時で220キロパスカルだったものが、12時に400キロパスカル、2倍弱に上がっています。」との発話がありましたが、これは、2011年3月16日午前6時頃から午後2時頃までの福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器圧力のデータ(約8時間)について、当初は誤った数値が伝達されていたものです。
しかしながら、本店側発言の3分後(3月16日午後4時59分頃)には、福島第一原子力発電所より「先ほどの2号機の原子炉格納容器圧力は75キロパスカルです。」との発話があり、上昇傾向という認識は速やかに是正されております。(TV会議映像記録により確認)
よって、3月16日午後4時59分以降の対処では、原子炉格納容器の圧力は正しい値の認識に基づいて対応がなされたものと考えており、2011年3月17日朝から昼にかけて行った福島第一原子力発電所2号機の原子炉への注水量の減少操作については、原子炉格納容器の圧力は正しい値の認識に基づいて対応したものと考えております。
<福島第一原子力発電所2号機原子炉注水量の低下操作について>
原子炉への注水量は、原子炉内にある燃料がもつ崩壊熱の量を評価し、必要な注水量を維持した上で、原子炉や原子炉格納容器、圧力抑制室の圧力・水位など、その時々の状況に応じて注水の量を増減させておりました。
当時、福島第一原子力発電所2号機においては、特に圧力抑制室の水位が上昇していることから、このまま原子炉注水量が多い状態が続くと、圧力抑制室や原子炉格納容器が冠水することになり、格納容器ベントが出来なくなることを懸念したことなどから、原子炉内にある燃料がもつ崩壊熱の量を評価した上で、2011年3月17日朝から昼にかけて原子炉への注水量を減少させたものと考えております。
<福島第一原子力発電所2号機からの放射性物質の放出が増えた可能性について>
2011年3月17日朝から昼にかけて福島第一原子力発電所2号機の原子炉注水量を減少させておりますが、その前後において、原子炉格納容器内の状況を把握する計器(ガンマ線線量率)の値が変化していないこと、また、当時測定された発電所構内の空間線量率(モニタリングデータ)は一定であることを確認しております。
<会見での説明および2011年5月16日の公表について>
2011年3月16日深夜の会見の説明においては、情報が錯綜する中で、訂正の情報が入っていないままのご説明となっておりました。
また、当該箇所を含めマスコミ関係者へ公表したプラントデータの誤りについては、データの確認作業を行った上で結果をとりまとめて2011年5月16日に公表いたしましたが、データが膨大であることから、訂正箇所の口頭による説明はしておりませんでした。
この点についてお詫び申し上げます。
以上
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