福島第二原子力発電所トップ


平成16年6月4日

定期検査中の2号機の社内検査時におけるスクラム排出容器内の
水位上昇の調査結果について

  当所2号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、平成15年4月14日から第15回定期検査を実施しておりますが、平成16年5月24日、総合インターロック検査※1のため午後6時9分中央操作室において発電機の模擬的な異常信号※2を発生させ、状態を確認していたところ、午後6時37分「スクラム排出容器※3水位高トリップ」(水位が上昇したことによる原子炉自動停止)の警報が発生いたしました。
  警報が発生した原因は、スクラム排出容器内の水位が上昇したことによるものですが、当該検査時は全制御棒が全挿入の状態であること、また原子炉の水位に変化はないことから、本事象による安全上の問題はありません。(平成16年5月25日お知らせ済み)
 
  スクラム排出容器へ水が流入する可能性のある経路を調査した結果、制御棒の位置を調節する駆動系の電磁弁
※4に漏れが生じ、下流側に設置してある当該容器へ流入したことがわかりました。
  当該電磁弁は、原子炉運転時における通常の水の流れ方向に対しては止水性がありますが、逆の流れに対しては止水性を考慮しない設計となっています。今回の検査においては、当該電磁弁に対し通常とは逆の流れとなったため漏れが発生したものと判断いたしました。
  当該電磁弁と同じ型の予備の電磁弁および設置されている電磁弁の5台(185台中)について、実際に通常の流れとは逆の方向より圧力を加えて検査したところ、漏れが発生することを確認いたしました。さらに設置されている185台全数について、通常の水の流れ方向に圧力を加えて検査したところ、漏れはなく電磁弁に支障がないことを確認いたしました。

  このような事象は、原子炉停止時(全制御棒、全挿入)に行う同様な検査において、他プラントを含めて共通的に発生しうるものですが、原子炉運転時では発生することはなく、これによる安全上の問題はありません。

  今回のような計画外の警報が発生することを防止するため、以下の対策を実施いたします。
  ○検査手順書に、当該電磁弁に逆の圧力が加わらないように、元弁を検査前に閉め
   ておくことを反映し、検査前に確認することといたします。
  ○類似した試験条件のもとで実施する他検査の手順書にも同様の対策を実施し、他
   発電所へも水平展開を図ります。
以 上
※1:総合インターロック検査
   定期検査の最終段階の原子炉起動前に実施する社内検査で、原子炉、タービンおよび発電機相互間
   の電気回路が正常に作動することを確認する検査。具体的にはタービン、発電機が停止する模擬信号
   を発信させ、原子炉が自動停止する機能等を確認する。
※2:発電機の模擬的な異常信号
   検査のため、主発電機の電気的な異常状態を模擬するために入れる信号。
※3:スクラム排出容器
   スクラムとは原子炉が緊急停止することであり、スクラム信号が発生すると全制御棒が水圧駆動によ
   り原子炉内へ急速挿入される。その際、排出される水を受けるための容器としてスクラム排出容器が
   2個設置されている。
※4:電磁弁
   電磁石の働きを利用して、磁力により弁を開閉駆動させる弁のことで、電磁コイルへの電気を「入」「切」
   することにより弁を開閉する。


制御棒駆動水圧系 概略図(事象発生時)64.0PDF

PDFデータをご覧になるにはAcrobatリーダーが必要です。
ダウンロード



menu


ページの先頭へ戻ります

公式アカウント:
  • 東京電力 公式Xアカウントのご案内ページへリンクします
  • facebook公式アカウントサイトへリンクします
  • Instagram公式アカウントサイトへリンクします
  • youtube公式アカウントサイトへリンクします
  • 東京電力 公式LINEアカウントのご案内ページへリンクします