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プレスリリース

定期検査中の福島第一原子力発電所6号機制御棒駆動水圧系配管
取り付け部からの水のにじみの調査結果について

平成16年8月17日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所
 
 当所6号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、平成15年9月30日より第18回定期検査を実施しておりますが、平成16年8月4日から開始した原子炉圧力容器等の漏えい検査において、8月5日、作業員が原子炉圧力容器下部にある制御棒駆動水圧系*1配管(以下CRD配管)取り付け部に水のにじみがあることを発見いたしました。
 そのため、原子炉圧力容器等の漏えい検査を中断し、原子炉圧力を大気圧まで降下し、水のにじみは停止しました。
 なお、にじんでいる水は制御棒駆動水圧系の水であり、分析の結果放射能は確認されませんでした。(8月5日お知らせ済み
 
 その後、漏えい箇所を特定するため、当該CRD配管の取り付け溶接部について浸透探傷検査*2を実施したところ、微細な指示模様が確認されました。また、当該溶接部を詳細に調べたところ、溶接部内部の微小な空洞を通じて貫通しており、水漏れは、当該部から発生していたことが分かりました。
 溶接部に貫通が発生した原因は、今定期検査中に実施したCRD配管取替工事における溶接作業により溶接部内に微小な空洞が発生し、その後、当該部の耐圧試験*3で溶接部表面が開口して貫通に至ったものと推定いたしました。溶接部内の微小な空洞は、溶接作業の熱にともない発生した水蒸気による気泡や、溶材金属*4の取り付け位置が僅かにずれたために発生した空隙により生じたものと考えられます。
 今後、対策として、当該溶接部の補修溶接を実施いたします。また、溶接部内の微小な空洞の発生を防止するため、水分や異物の付着防止および溶材金属の取り付け位置の確認を徹底してまいります。
 
以 上

*1 制御棒駆動水圧系
 復水系統などから制御棒駆動機構に通常操作のための駆動水、スクラム時の高圧水などを供給する系統。
*2 浸透探傷検査
 非破壊検査の一つで、試験体表面に赤色染色液を塗布し、指示模様を観察することによりひびなどの欠陥を調査する試験方法。
*3 耐圧試験
 溶接部等に圧力をかけてその健全性を確認するために実施する試験で、今回の試験においては最高使用圧力の1.5倍である約18MPaをかけて実施している。
*4 溶材金属
 溶接する際に、溶け込むことにより、溶接部の溶け込み不良を防止する目的で、あらかじめ溶接部に取り付けておく金属。材質は取替配管と同じステンレス材(SUS316)。

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