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定期検査中の福島第一原子力発電所3号機における
警報発生の調査結果について |
当所3号機は、平成16年8月9日より第20回定期検査を実施しておりますが、11月2日、送電線保護盤*1の取替工事にともない発電機しゃ断器が正常に動作することの確認試験を実施していたところ、「発電機ロックアウトリレー86G1*2動作」の警報が発生いたしました。
その後の調査において、試験実施にあたり当該警報発生防止の処置をあらかじめ実施すべきところ、試験手順書に不備があったため、処置が行われなかったことが確認されました。
また、警報発生時に発電機しゃ断器投入回路用補助リレー*3の損傷が確認されました。
(平成16年11月2日お知らせ済み)
調査の結果、警報発生の原因は、関連工事により当該試験手順書作成に必要な図面に変更がありましたが、それに気づかず手順書に反映できなかったためであることがわかりました。
損傷した補助リレーとつながる回路を点検したところ、発電機しゃ断器投入コイル*43個のうち2個に損傷が確認されました。
補助リレーおよび投入コイルが損傷した原因は、本来は関連工事終了後に当該試験を実施すべきところ、関連工事との工程調整結果が試験担当者に明確に伝わらなかったことから、施工途中の回路で当該試験が行われたため、回路が設計通りの動作をせず、これらの部品に長時間電流が流れて損傷に至ったことが判明いたしました。また、調査の過程において、警報発生時に情報が適切に伝達されなかった状況が確認されました。
対策として、以下を実施いたします。
(1) |
改造工事などで同一図面を複数工事で変更する場合の図書の運用ルールを再徹底いたします。 |
(2) |
同一時期に複数の工事が関連する場合は、工事工程の調整結果を工程表に記載し関係者全員で情報を共有いたします。 |
(3) |
試験時に発生する警報については、試験開始前に試験担当箇所と当直間で発生する警報を明確にした後、試験を開始することといたします。また、計画外の警報が発生した場合は、関係者まで速やかに報告することを再徹底いたします。 |
なお、損傷した補助リレーおよび発電機しゃ断器投入コイルを交換し、動作に異常がないことを確認いたしました。
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以 上 |
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*1 |
送電線保護盤
送電線の電気的事故時に事故の波及防止のため、発電機しゃ断器を自動的に「入」「切」し送電線を保護するための制御装置を収めた盤。
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*2 |
発電機ロックアウトリレー86G1
発電機、主要変圧器、所内変圧器または系統に電気的事故が発生した場合に発電機を系統から切り離し、発電機自体の故障拡大の防止あるいは系統の電気的事故箇所への電力供給を阻止することを目的とした保護リレー。
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*3 |
発電機しゃ断器投入回路用補助リレー
発電機しゃ断器の投入信号を検出して、送電線保護盤の監視回路等に信号を送るためのリレー。
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*4 |
発電機しゃ断器投入コイル
発電機しゃ断器の投入用操作空気を供給するための電磁弁用コイル。 |
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