平成11年11月1日
東京電力株式会社
当社は、かねてより、コンピュータの西暦2000年問題について、経営の重要課題ととらえ、
全部門のシステムにわたって改修作業を進めてきましたが、このたび、10月末をもってすべ
て完了いたしましたので、お知らせいたします。
今後は、6月に策定いたしました「危機管理計画」に基づき、情報連絡訓練などを実施す
るとともに、態勢をさらに整備し、対応に万全を尽くす所存です。
以 上
東京電力の西暦2000年問題への対応状況について
当社では、1996年から、社内各部門において西暦2000年問題への取り組みを開始しており、
1998年10月には副社長を主査とする「西暦2000年問題対策委員会」を設置して、一元的な対応
を進めてきました。
1.システム対応状況
(1)制御系システム
・調査の結果、制御に関わる機能はカレンダーを使用しておらず、改修不要であることを確
認しました。また、監視・記録に関わる機能については、修正が必要なシステムを改修し
ました。
・重要システムの対応結果は下記の通りです。
部門名 重要システム数 完了数 完了率 備 考
全システム 563 563 100% 1999年10月完了済
原子力 230 230 100% 1999年10月完了済
火力 212 212 100% 1999年6月完了済
工務 103 103 100% 1999年6月完了済
系統運用 18 18 100% 1999年6月完了済
通信(別掲) 42 42 100% 1999年3月完了済
・その他のシステムも、すべて10月末までに完了しました。
なお、機器に埋め込まれているマイクロチップに西暦2000年問題が発生しないかどうかにつ
いては、チップレベルまで調査し、また模擬テストを通じて、いずれも問題のないことを確認
しています。
ちなみに当社の原子力発電所では、チェックした結果、「制御」機能および「監視・記録」
機能あわせて約11万枚もの基板に、時計機能をもつマイクロチップすなわちリアルタイムクロ
ック(RTC)が3,707個ありましたが、調査の上これらはすべて西暦2000年問題が起きないこ
とを把握しております。
(2)事務処理系システム
・重要システム(営業、経理、資材関連)は昨年末までに対応を完了しており、その他システ
ムも本年10月までにすべて対応を完了しました。
2.危機管理計画
西暦2000年を万全な態勢で迎えるため、次のとおり諸対策を危機管理計画としてまとめ、6
月18日に公表しました。
o全店連絡・待機態勢
・西暦2000年問題特有の障害が発生した場合は、既存の防災態勢をベースとする西暦2000年
問題危機管理態勢で対応します。
・特に1999年12月31日の20時から2000年1月1日の指定時刻までを特定要注意日とし、あら
かじめ全社的な対応態勢を敷きます(通常要員約1,300名のほかに約3,500名を連絡・待機
要員に動員)。
o系統運用計画
・大口のお客さま設備の障害などが発生し、電気の使用量が急激に減少するという場合の備
えとして、例年の年末年始よりも火力発電機を高めの出力で運転しておき、出力の抑制を
容易にする一方(その出力増に見合う電力を揚水式発電所で吸収)、需要が予想よりも大
幅に上回った場合には、増加する需要にあわせて火力発電機の出力をアップすることによ
り対応します。
・現在、年末年始のお客さま操業状況調査を進めており、この結果を参考に、12月中にはさ
らに精度の高い電力需給計画を策定します。
以 上 |