三菱製紙株式会社
三菱商事株式会社
東京電力株式会社
三菱製紙株式会社(本社:東京都千代田区、社長:恩田 怡彦)と三菱商事株式会社(本社:東京都千代田区、社長:佐々木 幹夫)の2社は、1996年から豪州タスマニア州北東部において植林事業をすすめておりますが、このたび、東京電力株式会社(本社:東京都千代田区、社長:南 直哉)との間で、2000年1月以降、本プロジェクトに東京電力が出資参加(5百万豪ドル:約3.5億円)するという基本契約に調印いたしました。
なお、本プロジェクトについては、豪州連邦政府ならびにタスマニア州政府から全面的な協力をいただいており、本日行われた契約調印式には在日豪州大使館及びタスマニア州政府の方々にご臨席を賜りました。
三菱製紙と三菱商事が1996年から豪州タスマニアですすめてきた植林事業は、地道な植林活動を通じて地域環境保全に協力するとともに、伐採時にはチップ全量を三菱製紙が引き取ることを約定して、将来のパルプ材資源を確保することを目的としたもので、豪州メルボルン市に合弁会社(タス・フォレスト・ホールディングス=TFH)を折半出資で設立し、同社を軸にして豪州有数の総合資源会社であるノースリミテッドと共同で展開してきました。
三菱製紙は、環境憲章の基本方針である「資源の保護と有効活用」という理念の下、持続可能な原料の確保、並びに将来の植林木チップ使用比率を60%以上に高めることを目標に掲げ、既存植林事業の推進・拡大、新規事業の開拓に取り組んでおります。 また、三菱商事も、健全なグローバル・エンタープライズとして、あらゆる面での企業活動を通じて地球環境の保全と改善に努力し、持続可能な発展を目指しております。
このような中で、1997年12月に開催された温暖化防止京都会議において、1990年以降の植林による二酸化炭素の吸収・固定量を、自らの排出枠に加味できるという方向が正式に認められたことから、三菱製紙と三菱商事は企業の社会的責任の一環として植林事業の環境保全機能を高め、特に、本プロジェクトの植林事業の拡張や森林資源の活性化、土地の有効利用をさらに進めたいと考えておりました。
東京電力は、かねてより環境保全を経営の最重要課題のひとつと位置づけており、温室効果ガスを効果的に削減するために、原子力を中心としたエネルギーのベストミックスの推進、火力発電所の熱効率の向上などに積極的に取り組んでいます。また、こうした国内対策を補完する手段として、すでに世界銀行カーボンファンド構想への参加や、豪州ニューサウスウェールズ州森林局の植林プロジェクトへの参加も決めております。
このたび、本プロジェクトへの参画を決定したのは、地球規模での森林資源の保全に貢献できるとともに、豪州連邦政府の支援の下で植林によるCO2の吸収・固定を安定して推進でき、しかも固定したCO2に対応する炭素クレジットを取得すること(排出権の取得)が期待できると考えたからです。
今般の東京電力の出資によって(東京電力出資後の新たなTFHの出資比率:三菱製紙/三菱商事/ 東京電力=35/35/30)、総事業費が80百万豪ドルから90百万豪ドル(約63億円)へと増大し、目標植林面積は当初計画の22,500ヘクタールから25,500ヘクタールへ拡張することから、事業としての採算性もさらに向上いたします。今後は、3社がそれぞれの特長を発揮しながら協力し、本プロジェクトの推進を通じて地域環境の保全に向けて取り組んでまいる所存です。
以 上
(参 考)
■ 植林事業概要
(1)事業内容:当初計画の植林面積を年間1,500ヘクタール、合計22,500ヘクタールから、年間1,700 ヘクタール、合計25,500ヘクタールに拡張する。2012年より年間約50万トンの植林木を販売する。
(2)樹種:ユーカリ(グロビュラス、ナイテンス)
(3)事業地:豪州タスマニア州 北東部 ロンセストン周辺
(4)総事業費(2000年1月以降):90百万豪ドル
(約63億円:TFHを通じ日本側が38%、ノースリミテッド 62%)
(5)炭素固定量:13万t/年(試算)
■ 日本側合弁会社概要
(1)会社名: タスTas フォレストForest ホールディングスHoldings Pty. Ltd. (略称 TFH)
(2)資本金(2000年1月以降):17百万豪ドル
(約12億円:三菱製紙 35%、三菱商事35%、東京電力30%)
(3)設立日:1995年10月
(4)所在地:豪州ビクトリア州メルボルン市
(5)代表者:勝俣 光城(かつまた みつき:三菱商事 木材・製紙原料部長)
■ ノース リミテッド(North Limited)概要
豪州の大手鉱物・森林資源会社(旧社名:North Broken Hill Limited)。グループ全体の純資産は約18億豪ドル、売上高は約20億豪ドル(ともに99年6月末現在)となっている。
なお、その内の森林資源部門会社(North Forest Products Limited)は、売上高約2.2億豪ドル。 98年度の広葉樹チップ輸出量は、豪州全体の日本向けチップ輸出量の約45%に相当する240万トンである。
以 上
(注)1豪ドル=約70円