平成11年7月9日
東京電力株式会社
当社・福島第一原子力発電所2号機(沸騰水型、定格出力78万4千
キロワット)は、平成10年8月12日以来、第17回定期検査を実施してまい
りましたが、7月9日午前0時発電を開始いたしました。
今回の定期検査においては、長期にわたりシュラウド等取替え工事を実
施してきたことから、今後、定格出力まで段階的に発電量を増加させなが
ら念入りにプラントの健全性を確認した後、所管官庁の総合負荷性能検査
を受け、8月上旬頃に定期検査を終了する予定です。
今回実施した主な工事は、以下の通りです。
(定期検査中に実施した主な工事)
1.燃料集合体の取替え
燃料集合体548本中156本を取り替えました。
2.出力領域計装検出器の取替え
出力領域計装検出器31本全数を取り替えました。
3.シュラウド等の取替え
応力腐食割れに対する予防保全として一層の信頼性向上を図るため、
シュラウド等を取り替えました。
4.制御棒の取替え
福島第二原子力発電所1号機で不具合のあった同型の制御棒を実績の
ある他タイプの制御棒に取り替えました。なお、これらを取替え後に点
検した結果、異常は認められませんでした。
5.アクシデントマネジメント対策工事
当社はアクシデントマネジメント(注) の整備案をとりまとめています
が(平成6年3月発表)、このたび、アクシデントマネジメント対策と
して、原子炉減圧の自動化、耐圧強化ベント設備の追加等の工事を実施
しました。
(注) アクシデントマネジメントとは、原子炉施設の安全性に関し、その安全性をよ
り一層高めるために努力を重ねることが大切であるとの観点から、原子炉の設計
における多重防護の配慮に加えて、現実には起こるとは考えられない炉心損傷に
至る事故(シビアアクシデント)に対しても、その発生の防止、影響を緩和する
ための措置を講じておくというもので、原子炉設置者である電力会社が自主的に
行うこととしています。
以 上
<参考>当社原子力発電所の現況
福島第一・1号機( 46万キロワット) 運転中
2号機( 78万4,000キロワット) 7月9日から
発電開始
3号機( 78万4,000キロワット) 運転中
4号機( 78万4,000キロワット) 運転中
5号機( 78万4,000キロワット) 運転中
6号機(110万キロワット) 運転中
福島第二・1号機(110万キロワット) 運転中
2号機(110万キロワット) 運転中
3号機(110万キロワット) 運転中
4号機(110万キロワット) 調整運転中
柏崎刈羽・1号機(110万キロワット) 運転中
2号機(110万キロワット) 運転中
3号機(110万キロワット) 運転中
4号機(110万キロワット) 運転中
5号機(110万キロワット) 調整運転中
6号機(135万6,000キロワット) 運転中
7号機(135万6,000キロワット) 運転中
シュラウド等取替え工事の結果
シュラウド等取替え工事は、シュラウドなどの炉内構造物の応力腐食割
れ(SCC)に対する予防保全対策として、応力腐食割れの感受性が比較的
高いステンレス鋼(SUS304)を使用しているシュラウド、上部格子板、炉
心支持版、ジェットポンプ、炉心スプレイ配管等を感受性が極めて低い材
料(SUS316L)に取替えたものです。
2号機シュラウド取替え工事は、3号機に引き続き実施したものであり、
実際の工事に際しては、3号機と同様、安全で良好な作業環境の確保、適
切な放射線管理、徹底した品質管理に特に注意をはらい進めてまいりまし
た。
3号機及び今回の2号機の実績や経験を、今後のシュラウド取替え工事
に反映していきたいと考えています。
以 上
*シュラウド
燃料集合体全体を包んでいる円筒形の隔壁で炉心を下から上に流れる
水のの流路を確保している。
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