平成11年5月20日
東京電力株式会社
平成10年度のわが国経済は、先行きの不透明感などを背景として、設備
投資や個人消費等の民間需要が低調に推移したことから景気後退が鮮明と
なり、極めて厳しい状況が続きました。
こうした経済情勢のなか、当社の販売電力量は、産業用需要が景気低迷
の長期化に伴う生産調整の影響などによって前年割れとなりましたが、生
活関連需要が需要口数の緩やかな伸びなどによって増加したことから、合
計では前年度に比べてわずかに増加いたしました。
内訳としては、電灯は前年度に比べて2.6%増の810億kWh、電力は0.2%
減の1,860億kWhとなり、電灯と電力をあわせた総販売電力量は前年度比
0.6%増の2,670億kWhとなりました。
これによる電気料収入は、昨年2月10日からの電気料金引下げ(▲4.2%)
が年度を通じて影響したことに加えて、下半期の燃料費調整による収入減
などもあり、前年度に比べ3.8%減の4兆9,200億円、その他収益を加えた
経常収益は、3.6%減の5兆796億円となりました。
一方、支出面では、退職年金の予定利率見直しに伴う人件費の増加など
がありましたが、燃料価格の低下や原子力発電の高稼働による燃料費の減
少、金利低下による支払利息の負担減に加え、ここ数年にわたる設備投資
抑制などに伴う減価償却費の減少、さらには設備の点検・補修の削減によ
る修繕費の減少などがありました。こうした状況に加え、さらに業務運営
全般にわたる合理化、効率化を徹底し、費用の削減に努めた結果、経常費
用は前年度比3.6%減の4兆8,717億円となりました。
以上により、当年度の経常利益は2,079億円、当期利益は934億円となり
ました。
なお、当年度末の配当につきましては中間配当と同じく、1株につき25
円とすることといたしました。
以 上
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