平成11年4月15日
東京電力株式会社
当社は、平成6年7月から50万ボルト変電所「新飯能変電所」の建設を
進めてまいりましたが、本日完成いたしました。
「新飯能変電所」は、東京都多摩方面や埼玉県西南部地域へ電力を供
給するための新たな拠点変電所であり、建設にあたっては、計画段階か
ら「一点切り遮断器」(注1)などの世界でも最先端の技術を数多く採
用し、総額約84億円の建設工事費削減(建設費全体の約20%)を達成し
ております。また、建設地点が埼玉県立奥武蔵自然公園の中に位置し、
ハイキングコースも近くにあることから、環境への配慮として変電所設
備を背の低い仕様(密閉形機器)にしたほか、自然と共生する変電所を
目指し、当社では初めてビオトープ思想(注2)を設計段階から取り入
れさまざまな工夫をいたしました。植物を種から育てて自らの生育力を
利用して斜面の緑化や森林の育成をはかったほか、野生動植物が生息で
きる水辺空間を新たに設けるなど、自然の力を活用した低コストの生態
系復元に配慮いたしました。
これまで、当変電所建設にあたりましては、地元地域の皆さまをはじ
め、関係各方面からの多大なご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げ
ます。今後とも一層のご支援をお願い申し上げます。
以 上
(注1)一点切り遮断器:
従来の500kV遮断器は、遮断した際に発生する過電圧を考慮し、機器
内の2ヶ所で遮断する方式をとっているが、一点切りは遮断スピードの
高速化、遮断時に発生する熱ガス流の冷却特性向上などの技術革新によ
ってそれを1点で遮断可能としたもの。従来型に比べてサイズがコンパ
クトになり、コストダウンも可能になる。
(注2)ビオトープ:
野生生物が共存共生できる生態系を持った場所という意味で、ドイツ
語の生物を意味する「bio」と、場所を意味する「tope」の合成語。
都市の中に植物、小動物、昆虫、鳥、魚などが共生できる場所を造成ま
たは復元すること。
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