平成11年4月8日
東京電力株式会社
当社はかねてより、新しい「支店給電所システム」の開発をすすめてまいりましたが、
このたび開発を完了し、本日からその初号機が、神奈川支店・横浜給電所で本格運用を
開始いたしました。
支店給電所は、当社各支店に設けている電力供給の拠点であり、お客さまに電気を安
定して効率的にお届けするため、発電所・変電所・送電線などの電力系統設備をコンピ
ュータを使って一元的に運用・管理しています。
現在稼働中の支店給電所コンピュータシステムは昭和52年以降、順次導入を進めてき
たものですが、更新時期の近いものがあることに加え、近年、低価格化・高性能化が著
しい汎用コンピュータの普及が進んできたことをふまえまして、新システムでは複数の
安価な汎用コンピュータを組み合わせ、監視・記録・操作などの各機能を分散処理する
ことにいたしました。これにより、ハードウェア面で約35%のコストダウン
(1給電所あたり約5億円)を達成すると同時に、将来に向けて機能面で拡張性・柔軟
性のあるシステムとすることができました。
また、近年登場した、世界標準の基本ソフトウェア(64ビットUNIX SUS VER2)を採
用し、その上で当社標準の応用ソフトウェアを当社と東電ソフトウェア株式会社、三菱
電機株式会社の3社が共同して開発いたしました。ソフトウェアが統一化されたことに
よって今後は、ソフトウェアの維持・管理はもとより、改良にあたっても、当社ニーズ
に沿って迅速・的確に対応することが可能となり、将来のソフトウェア開発作業・費用
の大幅な効率化につながるものと見込んでおります。
なお、これまで神奈川支店内には横浜・川崎・厚木という3つの給電所がありました
が、今般、新システムの導入によりコンピュータの処理性能が大幅に向上(64ビット
CPUの採用)し、横浜・川崎両給電所の機能を新たに横浜給電所にまとめて、一体化
することができました。
当社では、今後、支店給電所システムの更新の機会をとらえて、この新システムに順
次切り替えていくとともに、幅広い新技術の開発・活用をすすめ、効率化をさらに推進
してまいります。
以 上
<参 考>
「新しい支店給電所システム」の概要
1.開発主体
○東京電力株式会社<システム仕様の決定・ソフトウェア開発>
・所在地:東京都千代田区内幸町1-1-3
・電 話:03-3501-8111
・社 長:荒木 浩
○東電ソフトウェア株式会社<ソフトウェア開発作業>
・所在地:東京都港区新橋6-19-15東京美術倶楽部ビル
・電 話:03-4586-7666
・社 長:金子 邦男
○三菱電機株式会社<ソフトウェア開発作業、ハードウェア納入>
・所在地:東京都千代田区丸の内2-2-3三菱電機ビル
・電 話:03-3218-2111
・社 長:谷口 一郎
2.開発期間
平成9年1月~平成11年3月
3.費 用
約27億円(ソフトウェア開発費約18億円、今回のハードウェア購入費約9億円)
4.コストダウン効果
ハードウェア購入に関して、従来タイプに比べ約5億円/箇所のコストダウンを達成。
なお、今回開発したソフトウェアは、将来的に支店給電所全て(14ヶ所) に適用す
る予定。これによってソフトウェア改良費用は、全社的にみて従来の1/3に圧縮できる
ものと見込んでいる。
5.概 要
○給電所システム
・世界的に標準化が進められている汎用コンピュータ(64ビットUNIXマシン)を使用。
・基本ソフトウェア(OS:オペレーティングシステム)は、UNIX(SUS Ver2)。
・応用ソフトウェアについては、複数サーバ対応で完成度の高いミドルウェア
(OSと応用プログラムの間に位置し、計算機間の通信規約、CRTのウインドウな
どの画面処理などのソフトウェア)を三菱電機より購入し、その上で、当社と東電ソ
フトウェアが三菱電機と共同で、当社標準のソフトウェアとして開発。
6.今回導入箇所
○当社・神奈川支店横浜給電所
・住 所 :神奈川県横浜市中区弁天通1-1
・電 話 :045-201-6921
・給電所長:松田高幸
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