プレスリリース 1998年

中国の電力関係職員へのLNG研修の実施について

-LNG導入の世界的パイオニアである東京電力のLNG取扱いノウハウを中国へ-



                            平成10年10月8日
                            東京電力株式会社

 当社はこのほど、中国全体の電力企業を所管する国家電力公司などの職員延
べ20名を対象として、中国が将来の導入に向け高い関心を示しているLNGの
受け入れに関する研修を実施いたしました。
 1986年以降当社は、日中両国の電気事業の交流を目的として、国家電力公司
との間で経営管理から発送配電にいたるまで幅広い分野での定期交流をすすめ
ておりますが、今回のようにLNG受け入れについて研修を実施するのは初め
てのことです。

 中国は、従来から電源構成の中で火力発電の比率が高く、1997年の発電電力
量に占める割合は81.6%に及んでおります。今後も、アジアの経済危機による
需要の減速はあるものの、さらに増大が見込まれる電力需要に対応するために、
第9次5ヵ年計画(1996~2000年)で7,000万kWの電源設備の増設をすすめて
おり、そのうち5,500万kWは火力発電所となる計画で、今後ますます環境への
影響が懸念されます。
 こうしたことから、環境に配慮した電源開発を促進することを目的に、世界
銀行は、中国政府と協力して、火力発電燃料へ環境負荷の少ないLNGを導入
するスタディー・プロジェクトを実施することとし、昨年12月、当社は、株式
会社EPDCインターナショナルと共同し、米・英・中各国のコンサルタントの協力を
得て、同プロジェクトを受託いたしました。
 このたびの研修は、同プロジェクトの一環として行ったものです。具体的な
内容としては、中国国家電力公司の幹部や実務者など延べ20名の職員に、世界
で初めてLNGを発電用燃料として導入した当社のLNGに関するノウハウや
、長年の利用経験に基づく幅広い業務知識、LNG導入・取扱の技術・契約手
続などについて講義を行いました。概要は(参考1)のとおりです。
 今後とも、当社では、LNGユーザーとしての長年の経験をいかし、様々な
ビジネス・交流を通じて幅広い環境保全のお役に立つよう努めるとともに、今
後とも経済発展に伴って着実な需要の伸びが予想される中国電気事業の発展の
ために協力してまいりたいと考えております。
  さらには、10月7日から本日まで沖縄で開かれているエネルギービジネスフ
ォーラムなどの国際的なシンポジウムに今後も積極的に参加して、当社の技術・
実績・経営資源を広く紹介し、世界の環境・エネルギー問題解決に向けてお役
に立つよう取り組んでまいりたいと考えております。

                                以 上

(参考1)

                 中国の電力関係職員へのLNG研修の概要

1.期 間
   第1期 平成10年4月~5月(延べ2週間)
  第2期  平成10年8月~9月(延べ2週間)

2.場 所
      当社および当社火力発電所
      (第1期では、カタール・ラスラファンLNG基地も視察)

3.研修内容
  1)電源計画
  2)LNG基地、コンバインドサイクル発電の計画
  3)環境
  4)LNG調達
    5)資金調達
    6)火力発電所、LNG基地、訓練所視察

4.研修メンバー(延べ20名)
    ・中国国家計画委員会 1名
    ・中国国家電力公司  9名
    ・華東電力集団公司    2名
    ・江蘇省電力公司      2名
    ・浙江省電力公司     2名
    ・上海市電力公司      2名
      その他              2名
                                以 上

(参考2)

                     東京電力と中国との交流について

1.交流開始の経緯、交流の考え方
 当定期交流は、1984年に平岩相談役(当時会長)が日中経済協会訪中代表団
副会長として訪中した際、中国・水利電力部の銭部長へ「経営マネジメントか
ら専門分野にわたるソフトの協力を行いたい」旨提案し、同部長より快諾を得
たことを契機として始まった。
  互恵平等・友好促進の立場で、日中両国の電気事業の交流を目的としている。

2.定期交流・協力の内容
  1)経営トップレベルの交流
  電気事業の経営課題について、基本的な意見交換を行う。1986年以来これま
でに12回実施。

 2)専門家会議の開催
 毎年1回、東京と北京で交互に実施する。年度毎にあらかじめテーマを選定
し、会議や視察などを通じて情報交換を行う。これまでに12回開催。最近のテ
ーマは「中国電力の発展状況と組織改編」、「東京電力の経営計画の概要」

  3)電力企業幹部研修の実施
  火力発電所長、供電局長・水力発電所長、電力集団公司リーダーなどの企業
幹部に対し、当社の経営管理や発電所の運営等について研修。これまでに12回、
163名に実施。

3.その他
  1)当社が中国で実施したコンサルティング事業
      a)華東地域電力開発長期計画への支援
      b)上海市街地区配電網拡充計画への支援
      c)江蘇省電力局に対する系統改善
      d)浙江省電力局に対するネットワーク改善
      e)華北電力集団公司に対する送配電効率改善プロジェクト
   f)中国LNG火力導入スタディー・プロジェクト(来年2月にとりまと
    め予定。当社はLNG計画部分の監修および研修を担当)

  2)その他
      a)火力発電所の診断や効率改善
      b)各種ミッションの受け入れ

                                以 上




ページの先頭へ戻ります

公式アカウント:
  • 東京電力 公式Xアカウントのご案内ページへリンクします
  • facebook公式アカウントサイトへリンクします
  • Instagram公式アカウントサイトへリンクします
  • youtube公式アカウントサイトへリンクします
  • 東京電力 公式LINEアカウントのご案内ページへリンクします