社内ベンチャー制度による新会社の設立について
-わが国電力会社として初めてベンチャー企業を設立-
平成10年8月6日
東京電力株式会社
当社は、関係会社を含めた「東電グループ」として、社員のチャレンジ
意欲を喚起し、能力・活力の一層の発揮を促すことを主な目的に「ベンチ
ャー起業人公募制度」と称するベンチャー事業の社内公募制度を設け、平
成9年3月から新事業の企画・アイデアの募集を行っております。
このたび、第1回応募分について社内で最終選考をした結果、「株式会
社アルファプライム・ジャパン」を設立することといたしました。ベンチ
ャー企業の設立は、わが国電力会社としては初めてのことです。
新会社の主な事業内容は、快適性・経済性を兼ね備えた顧客満足度の高
い住宅を普及させるためのコンサルティングです。具体的には、
1.高性能住宅用機器システムの開発
2.高性能住宅の設計ならびに住宅設備機器、建材の販売
3.街づくりコンサルティング
などを行います。これらの事業活動は、当社が経営課題として取り組んで
いるDSM(注) 方策に貢献するもので、詳細は別紙のとおりです。
(注)DSM:Demand-Side-Managementの略。お客さまのお役に立ち、環
境保全に寄与するとともに、電力会社の設備の効率的な使
用にも資する電気の使い方(負荷平準化・省エネルギー)
をお客さまとともに考え、進めていくこと。
なお、当社では、新会社の経営の独立性・自主性を尊重した上で、経営
資源をできるかぎり提供するなど、新会社の事業の早期確立を目指して育
成に努めてまいりたいと考えております。
以 上
(別紙) 設立するベンチャー企業の概要
1.会社名 株式会社アルファプライム・ジャパン
(ALFA PRIME JAPAN CO.,LTD)
2.所在地 東京都港区西新橋1-22-5 新橋TSビル(予定)
3.設立日 平成10年10月9日(予定)
4.事業内容(登記上の事業目的)
1)建築の請負、企画、監理、調査・診断およびコンサルティング業務
2)地域開発、都市開発に関する調査、企画、設計、施工、監理の委託
およびコンサルティング業務
3)空気調和・冷暖房・給排水設備工事の設計、施工
4)住宅設備機器および建築材料の輸出入・販売
5)室内装飾品、屋外装飾品およびインテリア用品の販売ならびに研究
6)工業所有権、コンピュータを利用した各種ソフトウェアの販売
7)事務用機械器具、通信機械器具、計量器ならびにその付属品類の販
売
8)不動産の売買および賃貸
9)損害保険代理業
10)前各号に付帯しまたは関連する一切の事業
5.資本金 3,000万円
6.主な株主
・東京電力(株) 1,005万円(33.5%)
・西郷徹也 900万円(30.0%)
7.役員(候補)
・代表取締役社長 西郷徹也(東京電力(株)営業部DSM推進センター都市・
生活システム部生活営業グループ副部長)
・取締役 小林康夫(東電設計(株)建築本部建築設計部課長)
・取締役 桜井良一(東京電力(株)建設部建築総括グループ課長)
・取締役 西郷千鶴((有)アーキテックプランニング取締役)
8.従業員数 6名(予定)
9.売上見込 6,000万円(H10年度)
1億8,000万円(H11年度)
3億6,000万円(H12年度)
以 上
(参考)
東京電力の社内ベンチャー制度について
1.名称
「ベンチャー起業人公募制度」
2.募集時期
毎年3月および9月
3.応募資格
1)事業のアイデアを持ち、自ら社長もしくはリーダーとして事業を企
画・運営する意欲がある当社および関係会社社員・チーム(当社グ
ループ以外からの関係会社出向社員は除く)。
2)独立法人で行う場合、資本金の30%以上を出資できること。
4.事業分野
自由(先進的・創造的要素を含むものであること)
5.事業形態
独立法人、もしくは社内組織(新たに設置)
6.条件
1)事業採算性
原則として、単年度黒字化3年以内・累積損失の解消5年以内が見
込める事業であること。
2)資金規模
当社からの出資+支援(債務保証、貸付)は、1事業当たり1億円
を上限として個別に決定。
7.制度プロセス
1)応募
2)1次選考(書類選考)
3)2次選考(応募者によるプレゼンテーション)
4)事業採算性調査(FS)の実施
5)最終選考
6)事業開始
7)事業継続審査(事業開始後3および5会計年度経過時点)
8)独立
8.応募者に対する人事制度
1)事業を独立法人で行う場合
・事業継続審査までは独立法人へ出向。
・事業成功の場合は原則として出身会社を依願退職し、独立法人へ
転籍。失敗の場合は前所属に復帰。
2)事業を社内組織で行う場合
・事業継続審査までは当該組織へ異動。
・事業成功の場合は、「独立法人化による継続」「既存の関係会社
の一事業として継続」のいずれかを選択、必要に応じ異動発令。
失敗の場合は前所属に復帰。
9.当社の支援体制
1)1次・2次選考前
事務局および社内専門家による助言、協力
2)FS実施時
・1,000万円を上限とする調査費用の提供
・社内支援チームによる協力
3)事業を独立法人で行う場合
・資本金の51~70%を出資(事業内容によって50%以下の場合あり)
・応募者が負担する出資金に対する融資
・借入金に対する債務保証もしくは貸付
・関係各部門による協力
・当社既存の経営資源の提供
4)事業を社内組織で行う場合
・関係各部門による協力
・当社既存の経営資源の提供
以 上
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