プレスリリース 1998年

福島第一原子力発電所4・5号機の定期安全レビュー報告書の提出について


                                                  平成10年6月25日
                                                  東京電力株式会社

  当社は、本日、福島第一原子力発電所4・5号機(所在地:福島県双葉郡大
熊町及び双葉町、沸騰水型、定格出力各78.4万キロワット)の定期安全レビュ
ーの報告書を取りまとめ、通商産業省へ提出しました。
  定期安全レビュー (PSR:Periodic Safety Review)は、自主保安活動の一
環として、既設の原子力発電所の安全性・信頼性のより一層の向上を目的に、
約10年ごとに、発電所での運転経験、技術的知見にもとづき、原子力発電所の
安全性等を総合的に評価するものです。

  今回対象とした福島第一原子力発電所4号機は、昭和53年10月(当社で5番
目)、同5号機は、昭和53年4月(当社で4番目)に営業運転を開始した沸騰
水型軽水炉です。
  定期安全レビューは、平成4年6月、通商産業省から実施についての要請も
あり、平成6年8月の福島第一原子力発電所1号機から始め、同2号機、同3
号機に引き続き、今回は4・5号機でこれまで自主保安として実施した活動の
成果を、報告書として体系的に取りまとめたものです。
  福島第一原子力発電所4・5号機で実施した定期安全レビューの概要は次の
とおりです。
  
1 運転経験の包括的評価
    具体的には、運転開始から現在に至るまでの各種の運転データ及び
  設備や管理の改善状況等を整理した。この結果、設備利用率、計画外
  停止の発生率、放射線業務従事者の線量当量、放射性廃棄物の発生量等
  は、いずれも運転開始当初より改善されており、安全性・信頼性は高い
  水準にあることを確認した。

2 最新の技術的知見の反映
    運転開始以降、新たに得られた技術的知見が安全性向上のために適切
  に設備に反映されているかどうかを評価した。この結果、最近の技術的
  知見が設備の改善や原子炉の安全性評価手法などに適切に反映され、
  安全性の向上が図られてきていることを確認した。

3 確率論的安全評価
    確率論的安全評価を実施して、炉心及び格納容器の健全性の維持のた
  めの安全上の特徴を把握し、本原子炉施設の安全性は原子炉の停止、
  炉心の冷却、放射性物質の閉じ込めといった基本的な安全機能により
  十分確保されていることを確認した。

  今回の定期安全レビューの結果、福島第一原子力発電所4・5号機の安全性
・信頼性が高い水準にあることを確認いたしました。これは、厳格な運転管理
や設備の更新・改良等を含む予防保全を基本とした適切な保守管理や国内外の
事故・故障等の経験に基づく再発防止策の的確かつ継続的な実施による成果で
あると考えられます。

  当社は、今回の定期安全レビューの結果を踏まえ、さらに原子力発電所の安
全性、ならびに安全に対する取り組みについて引き続き一層努力し、社会の一
層のご理解と信頼を得てまいりたいと考えております。

                                                                以  上

<参  考>定期安全レビュー報告書の提出実績

    福島第一原子力発電所1号機          平成6年8月
            同          2号機          平成7年10月
            同          3号機          平成9年11月
            同          4・5号機      平成10年6月(今回)



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