プレスリリース 1998年

世界銀行カーボンファンド構想への参加について

-わが国で初めて趣旨合意書を締結-


                                                       平成10年6月1日
                                                       東京電力株式会社

 当社はこのたび、地球規模での温室効果ガス削減プロジェクトの企画・投資
の仕組みとして世界銀行が国際的に提唱しているカーボンファンド(炭素基金)
構想(注)へ参加するため、同銀行との間で趣旨合意書(MOU)を締結いた
しました。この合意書締結は、わが国の企業・団体としては初めてのものです。


    (注)世界銀行のカーボンファンド構想の概要

   o 国あるいは企業が、世界銀行の設立するカーボンファンドへ出資。世界
    銀行はこの資金をもとに途上国、移行経済国などの再生可能エネルギー
    利用促進、発電所の熱効率改善や省エネの促進などの温室効果ガス削減
      プロジェクトに対し投資する。

   o このプロジェクト実行により削減された温室効果ガス相当分は、「排出
    クレジット」として、当該国間の取り決め並びに京都議定書に定められ
    た機構の認証を受け、出資金に応じて出資者に還元される。

   o 出資者はこのクレジットを削減量に引き当て可能。将来的にクレジット
    市場が成立した時点で、出資見返りの有価証券を売却したり、あるいは
    非出資者が市場で購入したりすることも可能となる。


 昨年12月、「気候変動枠組み条約第3回締約国会議」(COP3)において
採択された「京都議定書」では、先進国について法的拘束力のある数値目標が
掲げられ、わが国も6%の削減目標が定められると同時に、そのための国内対
策を補完するものとして地球全体での効率的な温室効果ガス削減・抑制を図る
国際的取り組みである「柔軟性措置」(排出権取引、共同実施、クリーン開発
メカニズム)が規定されております。

 現在、わが国では削減目標に向けた国内対策として、各審議会において総合
的な温暖化対策がされつつあります。また今国会での成立へ向けて「省エネル
ギー法」改正、「地球温暖化対策の推進に関する法律」制定の準備などが進め
られていますが、わが国のCO2排出量が1990-1995年の間に既に7%以上増加
していることや、今後省エネルギーが格段に進む余地が極めて小さいことなど
を考えますと、将来的に柔軟性措置を効果的に活用することなくしては、わが
国の削減目標達成は極めて厳しい状況と思われます。

 当社は、従来から環境保全を経営の最重要課題と位置づけ、原子力を中心と
したベストミックスの推進や、火力発電設備の熱効率向上、省エネルギーの推
進など積極的に取り組んでいます。それと同時に、このたび温室効果ガス削減
の目標達成の有効な手段である「柔軟性措置」の将来性も視野に入れています。
このたび、その積極的活用につながるものとして世界銀行のカーボンファンド
構想を評価し、同銀行の管理能力・国際的信用面の活用、プロジェクト選定・
資金確保面での信用性(リスク低減)、プロジェクト受入側(途上国など)と
の交渉・運営面での確実性などもふまえて、同構想に参加することといたしま
した。

                                                                  以 上




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