プレスリリース 1997年

柏崎刈羽原子力発電所4号機の手動停止の原因と対策について


                                                  平成9年11月18日
                                                  東京電力株式会社

  すでにお知らせしましたとおり、定期検査中の当社・柏崎刈羽原子力発
電所4号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、圧力スイッチの
共振を避ける対策を講じた後、11月1日原子炉を起動し、2日午前8時29
分に発電機を並列させたところ、「蒸気加減弁急速閉トリップ」警報が再
度発生(瞬時解除)しましたので、同日原子炉を手動停止して調査を続け
てまいりました。(11月2日発表済)

  当初の対策では、圧力スイッチの誤動作を防ぐため、これを取付けてい
る架台を改善し、その固有振動周波数を変更しましたが、今回の調査の結
果、以下の要因が重なったことにより圧力スイッチ自体の共振はなお避け
ることができず、圧力スイッチが誤動作したものと推定されました。
  1.タービン設備の運転に伴う振動が主蒸気配管等を介して当該圧力
     スイッチに伝わる.
  2.架台の固有振動周波数を変えても、1の要因等により当該圧力
     スイッチを共振させる振動が僅かに存在する.
  3.圧力スイッチには個体差があるため、共振する周波数や、振動に
     対する強さにバラツキがある.
  このため、当該圧力スイッチを振動の十分小さい場所に新設する計器収
納ラックへ移設することと致しました。
  なお、念のため、当該圧力スイッチを、振動に強いものに取り替えるこ
とと致します。

  また、資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度(INES)
暫定評価では、0+とされております。

                                                           以  上
[これまでの経緯]

・10月27日午後3時      発電開始。

・10月28日午後6時04分  出力上昇中のところ約42万キロワットの時点で
                        「A系原子炉自動スクラム」警報発生(瞬時解除)

・10月28日              原因調査のための出力降下を発表

(出力約30万キロワットに降下し調査を実施した結果、タービン蒸気加減
  弁制御油圧系統の圧力に変動がないにもかかわらず、圧力スイッチから
  の動作信号が発信されたことが判明)

・10月29日              原因調査のための原子炉手動停止を発表

・10月29日午後7時01分  原子炉停止

・10月31日              「原因と対策」を発表
                        タービン蒸気加減弁制御油圧系統の圧力      
                        スイッチがタービン設備の運転に伴う振動との
                        共振により動作信号を発信することが判明した
                        ので圧力スイッチの取付架台を改善し、当該圧
                        力スイッチの共振を避ける対策を講じる。

・11月1日午前5時30分  原子炉起動

・11月2日午前8時29分  発電機を並列したところ「蒸気加減弁急速閉
                        トリップ」警報が発生(瞬時解除)

・11月2日              原因調査のための原子炉手動停止を発表

・同日    午後2時56分  原子炉停止




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