プレスリリース 1997年

柏崎刈羽原子力発電所4号機の手動停止の原因と対策について


                                                  平成9年10月31日
                                                  東京電力株式会社

  すでにお知らせいたしましたとおり、定期検査中の当社・柏崎刈羽原子
力発電所4号機(沸騰水型、定格出力110 万キロワット)は、調整運転中
のところ、28日午後6時04分、「A系原子炉自動スクラム」警報が発生し
ましたので、原子炉を手動停止して(29日)、タービン蒸気加減弁制御油
圧系統の圧力スイッチについて調査を続けてまいりました。
  調査の結果、
  ・当該圧力スイッチは今定期検査において取り替えましたが、新たに取
  り付けたスイッチは、それまでのものと違う別型式のものであり、そ
  の振動特性が当該タービン設備の運転に伴う振動の周波数域にある
  ・当該圧力スイッチがタービン設備の運転に伴う振動との共振により動
  作信号を発信する
ことが判明しました。
  以上のことからプラントの運転状態により振動が大きくなった際に振動
が当該の圧力スイッチに伝わり、誤動作したものと推定されます。
  このため、振動による圧力スイッチへの悪影響を防止するため、圧力ス
イッチ取り付け架台を改善し、当該圧力スイッチの共振を避けることとし
ました。
  また、当該圧力スイッチの接点部を新品のものと取り替えることとしま
す。
  なお、準備が整い次第、発電を再開する予定です。

  また、資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度(INES)暫
定評価では、0-とされております。
                                                            以  上

[これまでの経緯:平成9年10月28日、同29日発表済み]
・27日15時発電開始
・28日午後6時04分「A系原子炉自動スクラム」警報発生(出力上昇時)
  したため、出力を約42万キロワットから約30万キロワットへ降下
・タービン蒸気加減弁制御油圧系統の圧力に変動がないにもかかわらず、
  圧力スイッチからの動作信号が発信されたため、29日原子炉を手動停止



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