プレスリリース 1997年

原子力発電所の配管溶接後の施工企業による熱処理に関する温度記録の疑義について


                                                  平成9年9月16日
                                                  東京電力株式会社

  当社は、(株)日立製作所(以下日立という)の子会社である(株)日
立エンジニアリングサービスが施工した溶接工事において、溶接検査時に
必要な溶接後の熱処理の温度記録に疑義があったと9月13日、日立より報
告を受けました。
  今回のような行為は原子力発電所の品質管理に相入れないものであり、
誠に残念なことと思っております。
  当社は直ちに日立から事実関係を聴き取り、評価いたしました。その結
果、
  (1)施工企業の現場管理者が、熱処理の実施前に、熱処理設備の溶接
      箇所への取り付けおよび温度制御のプログラム設定の確認を行うと
      ともに、熱処理の終了後、少なくとも目視により熱処理による変色
      の有無の確認は行っていたとのこと。
  (2)溶接検査は、電気事業法に基づき施工企業が検査対象の溶接に対
      して国の指定検査機関である(財)発電設備技術検査協会に申請  
      し、受検することとなっている。溶接検査の対象となる配管は、同
      検査の最終段階において、建設時には最高使用圧力の1.25倍以
      上、その後は通常圧力の1.1倍以上による耐圧検査を行っており、 
      強度等の基本的性能について確認をしている。
  (3)上記の溶接検査合格後、当社は発電設備としての耐圧検査、機能
      検査等の所定の検査を行って設備の総合的な健全性を確認してい  
      る。
  (4)実際に日本の原子力発電所において溶接後の熱処理に起因するト
      ラブルは発生していない。

  以上のことから、総合的に判断してプラントの運転継続に特段支障はな
いものと考えております。しかし、念のため至近の定期検査において、疑
義の温度記録の使用があったと思われる溶接箇所について、硬さ測定、金
属組織の調査等により溶接部における熱処理が行われているかどうかを確
認することといたします。
  
注1:配管溶接後の熱処理とは、溶接時に発生する残留応力の除去等を目
      的として実施するものであり、具体的には溶接終了後、配管表面に
      電気コイルを巻き、規定温度(650℃程度)に徐々に加熱し、一
      定時間保持後徐々に冷却するなどの作業を言います。

注2:溶接検査とは、溶接後の熱処理の確認を含め、液体浸透探傷検査、
      放射線探傷検査等により溶接部の健全性を確認するものです。

                                                         以  上


ページの先頭へ戻ります

公式アカウント:
  • 東京電力 公式Xアカウントのご案内ページへリンクします
  • facebook公式アカウントサイトへリンクします
  • Instagram公式アカウントサイトへリンクします
  • youtube公式アカウントサイトへリンクします
  • 東京電力 公式LINEアカウントのご案内ページへリンクします