平成9年3月18日
東京電力株式会社
すでに3月13日にお知らせいたしましたとおり、当社・柏崎刈羽原子力
発電所2号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、定格出力で調
整運転中のところ、残留熱除去系(B系)の原子炉格納容器内に設置され
ている逆止弁の開閉試験中に、最終的に全閉となるべきところ、全閉とな
らなかったことから、原子炉を停止し、詳細点検を行ってまいりました。
点検の結果、アクチュエータ(*注)側の弁シャフト端部と軸受部との
間に隙間が生じていました。また、弁駆動部とアクチュエータのジョイン
ト部が密着状態になっており、ピストンロッド等にこすり傷が確認されま
した。
このことから原因は、以下のように推定されました。
・ 当該弁の分解点検後、シャフトと軸受部の取付およびジョイント部
の取付が適正に行われていなかった。
・ さらに原子炉の運転に伴い、シャフトが軸受側に押し出されたた
め、駆動部の摩擦抵抗が大きくなった。
・ これにより駆動部の摩擦抵抗がアクチュエータのバネなどの復元力
を上回ることとなったため、アクチュエータが十分に作動せず、一度
開いた弁を全閉させるにいたらなかった。
このため、逆止弁の再組立を実施するとともに、組立管理の徹底を図る
ことといたしました。
なお、これらの対策が終了した後に、運転を再開する予定です。
また、資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度(INES)暫
定評価では、0-とされております。
注: アクチュエータとは弁を作動させるシリンダーで、窒素によって
ピストンを押し上げる装置です。
以 上
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