プレスリリース 1996年

定期検査中の福島第一原子力発電所1号機で発見された不具合の原因と対策について


                                                  平成8年12月26日
                                                  東京電力株式会社

 
                                                               
  すでに11月26日にお知らせいたしましたとおり、当社・福島第一原子力
発電所1号機(沸騰水型、定格出力46万キロワット)については、原子炉
内のジェットポンプ入口側配管溶接部近傍にひびが認められたため(配管
10本のうち2本)、調査を行ってまいりました。
  詳細に調査した結果、最終的に2本の配管にそれぞれ1箇所のひびが確
認されました。ひびの形状が枝分かれ等を伴っていることの他、以下の要
因から応力腐食割れと推定されます。

  ・溶接時の熱の影響を受ける範囲であること。
  ・溶接再現試験の結果から溶接部近傍には引張り応力が残留している
    こと。
  ・運転中の溶存酸素濃度が、応力腐食割れを発生し得る程度であった  
    こと。

  当該号機については、今回の定期検査中に水素注入装置を設置し水素注
入をすることにより、今後の応力腐食割れの進展を大幅に抑制することと
します。これに加え、当該部にクランプを取り付けて、補修することとい
たします。

  また、資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度(INES)暫
定評価では、0-とされております。



                                                            以  上

  (注)本件は法律に基づく報告対象事象ではありません。



  <参考>
(1) 水素注入とは、給水に微量の水素を注入し、炉内の溶存酸素と結合さ
 せ、炉水中の溶存酸素濃度を低下させることにより、応力腐食の環境を
 改善する技術です。 
(2) クランプとは、当該部をまたいで両側の配管を締め付けるステンレス
 製の金具です。



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