プレスリリース 1996年

電力貯蔵用電池(ナトリウム-硫黄電池)の実用性能試験の開始について


        -実用規模の変電所用6000キロワット級NAS電池の試験開始-

                                                 平成8年9月2日
                                                 東京電力株式会社

  当社は、昭和59年度から日本ガイシ(株)と共同で、電力貯蔵密度が鉛電
池に比べて約3倍と高く、コンパクトな「NAS電池(ナトリウム-硫黄電
池)」の研究開発を進めてまいりましたが、このたび当社の綱島変電所構
内(神奈川県横浜市港北区綱島東)に、実用規模の変電所用6000キロワッ
ト級NAS電池を設置し、実用性能試験を開始いたします。

  NAS電池は、都市部などの需要地やその近傍に設置して、深夜に充電
・貯蔵し、昼間のピーク時などに発電(放電)を行うものです。この電池
が実用化されると、都市部などの需要地に揚水式水力発電所と同様の機能
を持つことになります。その利用により、昼夜間の格差が大きい電力負荷
の平準化や、電力設備の効率的運用、設備投資の抑制などに役立つだけで
なく、非常時の電源として、あるいは出力が不安定な自然エネルギーのバ
ッファーとしても役割が期待できます。

  今回の6000キロワット級NAS電池システムは、当社の変電所等に設置
して、一般の電力需要に応じて運転することを想定したもので、25キロワ
ットのモジュール電池240台と交流直流変換装置等で構成されています。       
1台のモジュール電池には単電池を480本、240台のモジュール電池合計で
115,200本の単電池が収納されています。なお、今回設置する電池は、こ
れまでの研究で得られた成果をもとに開発、改良を行ない、これまでと比
較してエネルギー密度を約25%向上させることに成功し、一層の効率化と
コンパクト化を図っております。

  今回の試験では、これまで行ってきた性能検証に加え、より実用化に近
づけるため、運転・保守、施工性などの検証も進めてまいります。運転パ
ターンは、昼間に6000キロワットで8時間の放電を行い、充電は電力需要
の少ない夜間に8時間程度行うこととしております。
  本年10月に試験設備工事に着工し、平成9年3月頃から、3台ある変圧
器ごとに2000キロワットずつ段階的に運転を開始し、検証期間は2年間程
度を予定しております。
  また、これと平行して、需要家用200キロワット級NAS電池を栃木県
内の当社事業所へ設置する準備も進めており、需要家の受電設備に接続す
ることを想定した試験を行う予定です。

                                                           以  上




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