平成8年7月24日
東京電力株式会社
当社はこのたび、95年度の環境問題に対する取り組みの成果や今後の対
応などを96年版「環境行動レポート」としてまとめました。
当社は、かねてより環境保全を経営の重要課題として位置づけ、環境問
題の解決に向けて自主的かつ積極的に取り組んでおります。本レポートは
、こうした活動を社会の皆さまに紹介しご理解いただくとともに、広くご
意見を承り今後の活動に活かしていく目的で、92年版から毎年公表してい
るものです。
95年度の主な取り組みとその実績は以下のとおりです。
(1)CO 2排出量は、原単位ともども減少
95年度は、夏の猛暑や冬場の気温が前年度より低かったことなどの影
響により電力需要は堅調に増加しました。そのなかで、原子力発電が、
定期検査日数の短縮化等により過去最高の設備利用率(83.2%)となった
ことなどから、火力発電電力量(含む他社受電)は、前年度に比べ約70億
kWh減少いたしました。その結果、当社の95年度の二酸化炭素(CO 2
)排出量は、炭素換算で前年度より50万トン減少して2,480万トンとなり、
CO 2排出原単位(1kWhの電気を発電するときに発生するCO 2の
量)も前年度の90グラム-C/kWh(注1) から86グラム-C/kWhに減少い
たしました。
当社は、原子力発電を中心とした電源のベストミックスや発電熱効率
の向上、送配電ロス率の低減などに努めていますが、これらはいずれも
CO 2の排出を抑制することに有効であります。95年度はこれらの施
策によって、CO 2の排出量を3,000万トン-C以上も抑制することが
できたと試算されます。
(注1)「グラム-C/kWh」とは、1kWhの電気を発電するときに発生す
るCO 2量を炭素換算で表した単位。
(2)SOx,NOx は、さらに低減
前述の火力発電電力量の減少に加え、火力発電用燃料に占める液化天
然ガス(LNG)の割合が増加したことなどから、95年度の硫黄酸化物(
SOx)の排出原単位は、前年度の0.14グラム/kWhから0.12グラム/kWhに
減少し、また窒素酸化物(NOx)の排出原単位も同様の理由から前年度
の0.17グラム/kWhから0.15グラム/kWhに減少いたしました。これらの実
績は、欧米主要国に比べても極めて低い水準に達しています。
(3)オゾン修正消費量は、微増
95年度の当社の規制対象フロン類の実消費量は前年度に比べ9.3トンの
増加となりましたが、オゾンを破壊しないフロンや非フロン系洗浄剤へ
の切り替え、点検時の回収装置の使用などを引き続き実施した結果、オ
ゾンに与える影響度を考慮した修正消費量(注2)では0.6ODP-トンの
増加にとどまりました。
(注2)修正消費量とは、フロンの種類ごとの実消費量に、各フロンの
オゾンへの影響度を表す
「オゾン破壊係数」(ODP=Ozone Depletion Potential)
をかけて算出したもの。フロンは種類により、オゾンへの影響
が異なる。
(4)産業廃棄物の92%を再資源化
95年度の産業廃棄物の埋立処分量は、貝類、碍子くずなどの再資源化
を進めたことにより大幅に減少し、前年度に比べ7,600トン少ない
18,200トンとなりました。
なお、95年度の当社の再資源化率は92%で、全国平均(92年度で
40%)を大きく上回っています。
当社は今後も引き続き、お客さまに良質で安い電気を安定してお届けす
ることはもとより、かけがえのない地球環境の保全に努めていくことを社
会的使命と考え、事業活動を展開していきたいと考えております。
以 上
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