プレスリリース 1996年

姉崎火力発電所6号ボイラ-破損事故に関する電気事故詳報提出について


                                                 平成8年7月17日
                                                 東京電力株式会社

  6月18日に当社姉崎火力発電所第6号機において発生いたしましたボイ
ラ-破損事故につきまして、皆さまには多大なご心配をおかけいたしまし
たことを改めて心からおわび申し上げます。
  事故原因につきましては、現在、社内に事故調査委員会を設置し究明中
のところです。また、関係ご当局においても調査中であり、それらの結果
を待って最終的な再発防止対策を講ずることといたしますが、本日、電気
事業法第106条の規定に基づいて「事故の状況」「事故発生の防止対策」
等につき、関東通商産業局長に電気事故詳報を提出いたしましたので、ご
報告いたします。

  電気事故詳報の概要は次の通りです。

1.事故の状況
・  6号機は平成8年2月28日から6月26日までの予定で定期点検中であ
  り、この試運転の一環として、給水ポンプ1台が停止した場合の「負荷
  降下に関わる試験(BFPランバック試験)(*1)」を6月18日に実施す
  る予定となっていた。これにしたがって同日16時30分、LNG専焼で、
  給水ポンプ1台を停止し定格出力60万kWから30万kWに負荷降下させる試
  験を開始したところ、出力が急激に13万kWまで低下した。
・  主蒸気圧力が上昇していたため、これを抑制する操作をした結果、出
  力が21万kWとなった。
・  その後、逆に主蒸気圧力が低下し始めたため、圧力の維持(*2)に努め
  た。しかし圧力は回復せず、この過程において炉内の火炎が確認できな
  くなったため、ボイラ-を緊急停止しようとしたが、16時33分ボイラ-
  破損事故が発生した。(ほぼ同時にボイラ-燃料ガス遮断弁が全閉)
    この事故により、2名が死亡し1名が重傷を負った。
    また、電気工作物の被害としては、煙道の損壊及びボイラ-本体とそ
  の付属設備の破損が確認されている。

2.事故の原因
  事故の原因については現在調査中であるため、判明次第別途報告する。

  現時点で推定される原因は以下の通りである。                            

・  事故当時の状況、設備の破損状況から、何らかの理由でボイラ-内
 の火が消えた状態のまま、燃料ガスが流入し可燃範囲となったため、
 ボイラ-が破損したものと推定される。                                   

3.事故再発の防止対策
  原因の究明を待って恒久的な再発防止対策を講ずることとするが、当面
早急に行う対策として下記を実施する。
  1.定期点検等の試運転における異常時対応の再徹底
    (今回のように、定期点検等の試運転において、予め定められた試験
    方法等の範囲から外れた場合には、速やかにユニットを安全停止する
    ことを再徹底。)
  2.試験実施時の安全対策の強化
  3.異常時における管理者の危機管理教育の充実。
                                                              以上
*1  負荷降下に関わる試験(BFPランバック試験)
      今回の試験は、定格出力60万kWで運転中にボイラ-給水ポンプ    
    (BFP)2台のうち1台が停止し、ボイラ-への給水量を1/2に
    落とした時に燃料・空気も自動的にそれに見合った値に制御され出力
    が30万kWに安定的に低下するかどうかを確認していたもの。

*2  「圧力の維持」
      こうしたケ-スで運転員が手動操作を行う場合は、ボイラ-の主蒸
    気圧力を規定値に維持するように操作するのが基本となる。


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