平成8年7月5日
東京電力株式会社
関西電力株式会社
東京電力(株)と関西電力(株)は、かねてより「世界電力首脳有志の会議」
の一員として、「気候変動枠組み条約」に定める「温室効果ガス削減のための
共同実施」を自主的に具体化すべく検討を進めてまいりましたが、このたびイ
ンドネシア政府および他の有志会議のメンバーと共同で、インドネシアにおけ
る地方電化プロジェクト(正式名称:Renewable Energy Supply Systems
Indonesia Project)を実施することといたしました。
「温室効果ガス削減のための共同実施」とは、先進国が発展途上国に技術や
資金を提供して温室効果ガスの削減策を実施することにより、エネルギー効率
が高水準にある先進国で削減策を実施することに比べて少ないコストでより大
きな効果を目指すものです。その本格的な実施に向けて経験の蓄積を行なうべ
く、2000年までを試験期間として先進国が自主的に「共同実施活動」
を行なうことが、1995年の気候変動枠組み条約の第1回締約国会議で決定して
います。
今回のプロジェクトは、インドネシアの小島地域の村落に、ソーラーホーム
・システム(住宅用:50W×1,000ユニット)、ハイブリッド・システム(公共
施設用:太陽光+バックアップ設備、10kW×2ユニット)、ミニ水力発電機
(200kW×1ユニット)など合計270kWの設備を設置し、発展途上国における再
生可能エネルギー利用に関する、技術的、財政的な問題点の洗い出しとその解
決策を探ろうとするものです。
このプロジェクトの実施により、年間1,223トンのCO2の排出抑制(ドラム
缶2,300本分の石油を燃焼した際のCO2発生量に相当、これを相殺するために
は熱帯雨林40haが必要)が期待されるほか、日本の一般家庭450世帯分(インド
ネシアにおいてはこの数倍)に相当する電化が可能となります。
なお、同プロジェクトは、共同実施の国際ルールづくりに向けてわが国政府
が定めた「共同実施活動ジャパン・プログラム(正式名称:気候変動枠組み条約
に係わるパイロット・フェーズにおける共同実施活動に向けた基本的枠組み)」
の第1次プロジェクトとして認定されました。本プログラムは、わが国の「地
球温暖化防止行動計画」に定める温室効果ガス排出量の抑制目標の達成、民間
・地方地方公共団体等の自主的な参加を募り、「共同実施活動」の経験の蓄積
を目的としています。
今後は、同プロジェクトの推進を通じて、「共同実施活動」に係わる国際的
な知識・経験の蓄積に努め、発展途上国の持続可能な開発にむけて引き続き協
力していきたいと考えています。
以上
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