-作業時間を大幅に短縮、安全性も向上-
平成8年4月26日
東京電力株式会社
当社は、このたび(株)関電工、(株)三英社製作所と共同で、6,600ボルト高圧
配電線と変圧器をつなぐ“高圧引下げ線”を全自動で接続・切断する「高圧引下
げ線接続ロボット」を開発し、4月末より、茨城・埼玉・千葉・神奈川の4支店
で実証配備を開始いたします。
架空配電線工事のうち、6,600ボルト高圧配電線と変圧器をつなぐ高圧引下げ線
を接続・切断したりする作業は頻度が高く、年間20万件、架空配電工事全体の約
5%を占めています。
現在こうした作業は、人手により、また無停電化へのお客さまニーズにお応え
するため、できる限り通電状態で作業を行っています。このため、作業員は、感
電防止のためのゴム手袋、ゴム長靴、肩当てをつけ、さらには高圧配電線に防護
用のゴム管を取り付けるなどの準備作業を行わなければならず、作業面や安全面
での問題に加えて、1箇所の接続作業に1時間程度の時間を要しています。
このたび開発した「高圧引下げ線接続ロボット」は、電線同士をつなぐコネク
ターの締め付け・取り外しを行う「コネクター締め付け工具」と電線の被覆を導
体を傷付けることなくはぎ取る「電線被覆剥取工具」の2つの機能を一体化し、
これをロボット化したもので、各動作機構部の配置を工夫することにより、小型
化・軽量化(22kg)を図っています。
実際の工事で使用する際には、ロボット本体を高所作業車を使って電線上に設
置し、リモコンによる遠隔操作で
1)電線の絶縁被覆のはぎ取り
2)はぎ取った電線のブラッシング
3)電線と電線をつなげるコネクタの締め付け
といった一連の作業を全て自動的に行います。
このほか、
4)自動的に電線のサイズ、コネクタの種類等を判別する
5)各作業の進捗状況を外部に表示する
6)間違った指示に対して動作を行わず、エラーメッセージを表示して
ヒューマンエラーを防止する
などの機能を持っております。
このたび開発したロボットの活用により、身体防護等の準備作業が不要となる
ことから、作業時間が1箇所あたり15分程度と大幅に短縮できるとともに、通電
状態での作業環境の改善や安全面での一層の向上が期待できます。
当社では、今回の平成9年3月末までの実証試験で現場での適用性を確認する
とともに、ロボットの改良についてさらに検討を進め、将来の有効な工法として
この技術を確立したいと考えております。
以 上
「高圧引下げ線接続ロボット」の開発および配備概要
1.開発主体
・東京電力株式会社(役割:研究運営の総括、工法開発、ロボット本体の
開発・アドバイス・評価)
住所:東京都千代田区内幸町1-1-3 Tel 03-3501-8111
社長:荒木 浩
・株式会社関電工(役割:工法開発、ロボット本体の開発・アドバイス・評価)
住所:東京都港区芝浦4-8-33 Tel 03-5476-2111
社長:星野聰史
・株式会社三英社製作所(役割:ロボット本体の開発)
住所:東京都品川区荏原5-2-1 Tel 03-3781-8111
社長:大場健司
2.開発期間
平成2年6月~平成7年12月
(うち、共同研究は平成2年6月~平成6年3月)
3.開発費用
7,000万円 東京電力 3,000万円
関電工 1,000万円
三英社製作所 3,000万円
(ロボット1体は、600万円)
4.配備期間
平成8年4月~平成9年3月
5.試験実施場所
・東京電力(株)茨城支店
住所 :茨城県水戸市南町2-6-2 Tel 029-225-1511
支店長:山口藤夫
・東京電力(株)埼玉支店
住所 :埼玉県浦和市北浦和5-14-2 Tel 048-831-5161
支店長:鳥谷部昭夫
・東京電力(株)千葉支店
住所 :千葉県千葉市中央区富士見2-9-5 Tel 043-224-3111
支店長:兒島伊佐美
・東京電力(株)神奈川支店
住所 :神奈川県横浜市中区弁天通1-1 Tel 045-201-6921
支店長:木村隆佳
以 上
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