プレスリリース 1996年

「平成8年度経営計画の概要」について



                                                 平成8年3月25日
                                                 東京電力株式会社

  当社は、このたび平成8年度の経営効率化計画、供給計画(昨年までの
施設計画)などをあわせて、「平成8年度経営計画の概要」としてとりま
とめました。
  経営効率化計画は、昨年7月の電気事業審議会料金制度部会の中間報告
をうけて、自らの効率化努力とその背景にある経営環境や、今後の経営課
題を毎年度自主的に公表するものでありますが、その重要な柱の一つが、
長期的な安定供給を確保しつつ効率的に設備形成を図っていくことである
ため、今回、供給計画とあわせて発表することとしたものです。
  8年度の経営計画では、今年1月の料金引下げをうけて、新たな電気料
金水準の下で、安定供給の確保と同時に、収支均衡を継続することと、あ
わせて将来に向けた経営基盤の強化を図ることを最重要の目標とします。
  8年度の経営計画の具体的内容は、以下の通りです。

<10年後の需要規模は1.2倍>
  東京を中心とする首都圏をサービスエリアとする当社の電力需要は、中
長期的には産業用需要が伸び悩むものの、生活関連需要の家庭用、業務用
などが安定した伸びを示すと予想されることから、販売電力量は6年度か
ら17年度まで年平均2.2%の伸び(気温補正後)、最大電力は同2.3%(気
温補正後)と想定しています。このため、最大電力需要は、様々な需要方
策(Demand Side Management)を行っても、今後10年間に約1.2倍に増加
する見通しです。

<今後10年間で2,500万kWを超える電源を開発>
  この需要の伸びにあわせ、電源開発、基幹送変電設備の増強が必要であ
り、平成8年度から17年度までの10年間に、原子力を中核として石炭火力、
LNG火力、揚水式水力等のバランスをはかりつつ、合計2,556万kW(他
社受電を含む)の電源開発に取り組みます。
  このうち、平成11~13年度の合計100万kWの電源については、新たに設
けられた電源の入札制度を積極的に活用し、入札により募集します。
 
<8年度収支は厳しい見通し>
  本年1月の料金引下げは、これまで進めてきた経営効率化だけでなく、
今後の努力目標分も含めて効率化の成果を先取りしたものであり、引下げ
による減収、設備関係費の負担増などから、収支は厳しい状況が予想され
ます。
  このため、従来から進めている効率化への取り組みを着実に推進すると
ともに、8年度においては、設備建設や修繕の繰り延べなどを行い、株主
の皆さまに安定的な配当を実施するために必要な利益水準の確保をめざし
ます。

<8年度の設備投資額は1兆5,914億円>
  8年度の設備投資額は、新技術・新工法の開発導入、ノウハウを活かし
た設計・施工上の創意工夫、機器・材料の仕様見直し、海外製品の積極採
用など、従来から取り組んでいる設備投資の抑制策を着実に推進すること
に加え、設備取替工事から暫定的な部分改修への変更、工事工程の一部繰
り延べなどの一層の投資抑制策を実施し、1兆5,914億円といたします(前
回計画は1兆6,282億円)。

<DSMの推進>
  需要方策(DSM)の推進により、8年度の最大電力を320万kWシフト
する予定であり(7年度実績は310万kW)、引き続きDSMの強化による
ピークシフトを設備計画に反映させ、設備投資抑制を進めます。

<一層の効率化努力の推進>
  巡視・点検・取替などの繰り延べや必要性の高い工事を選別して実施す
る修繕工事の繰り延べにより、修繕費を前回計画から約200億円削減し、
8年度5,900億円台とします。さらに、原子力設備利用率の向上、火力発
電熱効率の向上などによる設備運用の効率化、コンピューターシステムや
パソコンの活用などによる業務効率化、社員数の抑制など、経営効率化の
一層の徹底をはかります。

  今後も、効率化の徹底により、長期安定供給と低廉な電気料金という二
つの課題への挑戦を続けると同時に、効率化の徹底を企業体質の充実につ
なげ、グループ内の人材・技術力・情報ネットワークを強化することで企
業活力を発揮し、お客さまサービスの品質向上や新しい事業展開を通して、
お客さまや社会に喜ばれる企業であることをめざします。

                                                       以  上


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