プレスリリース 1996年

世界初の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)柏崎刈羽原子力発電所6号機の発電(試運転)開始について



                                                 平成8年1月29日
                                                  東京電力株式会社

  当社・柏崎刈羽原子力発電所6号機(電気出力135万6千kW、改良型沸
騰水型軽水炉)は、本日午後3時4分、試運転段階での発電を開始しまし
た。
  同6号機は、平成3年9月17日の着工から4年余りをかけて昨年11月30
日に燃料装荷を開始し、以降順調に所定の試験(原子炉の核加熱試験、タ
ービン通気試験、電気系統試験など)を行ってきました。
  今後は、出力を段階的に上昇させながら、各段階で慎重に試験を進め、
平成8年12月に営業運転を開始する予定としております。完成のあかつき
には当発電所における6基目のユニットとなり、また、当社では16基目の
原子力発電ユニットとして電力の安定供給に貢献するものであります。営
業運転開始時点での当社全体の原子力発電設備の総容量は1,595万2千kW
、全発電設備に占める原子力の比率は、約30%となります。

  今回、試運転を開始した6号機は、国内外の運転経験と最新技術に基づ
き、米国GE社などを含め国際共同開発をしたもので、世界で初めての改
良型沸騰水型軽水炉(ABWR=Advanced BWR)です。
  その改良の主要点は次のとおりです。
  従来、原子炉圧力容器の外に設置されていた原子炉再循環ポンプを内蔵
型とした「インターナルポンプ」、駆動システムを多様化した「改良型制
御棒駆動機構」、「鉄筋コンクリート製格納容器」など、新しい技術の採
用により、安全性、信頼性の向上を図っております。
  また、原子炉再循環系の外部配管をなくしたことにより、原子炉格納容
器・原子炉建屋がコンパクトとなってコンクリート材などが減少したこと
や、全天候型建設工法などの新しい工法を採用し、工期の短縮を図ったこ
とによって、経済性も向上しております。
  さらに、中央制御盤では、情報の迅速、的確な共有化を可能にする大型
表示盤や主要な制御系機器を集約したコンパクトな主制御盤の採用により
、運転員への負担の軽減を図るなど、一層の監視性、操作性の向上を実現
しています。
  なお、同発電所では現在同タイプの7号機も、来年7月の営業運転開始
を目途に建設中であります。

                                                      以  上



●関連情報

・ 柏崎刈羽原子力発電所6号機の概要

・ 柏崎刈羽原子力発電所6号機:設備の特徴


<参 考> 1.柏崎刈羽原子力発電所6号機に関する主な経緯 昭和62年11月29日 第一次公開ヒアリング 昭和63年 3月18日 第108回電源開発調整審議会で開発計 画承認 昭和63年 5月23日 原子炉設置変更許可申請 平成 2年 6月 3日 第二次公開ヒアリング 平成 2年 6月19日 電気工作物変更許可申請 平成 3年 5月15日 原子炉設置変更許可 平成 3年 5月17日 電気工作物変更許可 平成 3年 5月17日 工事計画認可申請 平成 3年 8月23日 工事計画認可(第一回) 平成 3年 9月17日 着工 平成 7年11月30日 燃料装荷開始 平成 7年12月18日 初臨界 平成 8年 1月29日 発電(試運転)開始 平成 8年12月 営業運転開始(予定)

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