平成7年12月15日
東京電力株式会社
当社は本日、富津火力発電所3・4号系列増設計画に関する環境保全計
画書を千葉県環境会議(注)に提出いたしました。
この計画は、既設の富津火力発電所構内(出力:2系列200万キロワッ
ト)に改良型コンバインドサイクル発電方式(ACC:Advanced
Combined Cycle・改良型複合発電方式)による1系列152万キロワット、
2系列(総出力:304万キロワット)の発電設備を設置するものです。こ
れは、首都圏の電力の安定供給を図るために、平成13年度以降の重要な電
源として計画したものであります。
また、発電設備の増設に伴い、LNGタンク4基、LNGバース1基を
増設いたします。
現在運転中の富津火力発電所は、当社で初めて、熱効率の高いコンバイ
ンドサイクル発電方式を採用したLNG火力発電所で、1号系列(出力:
100万キロワット)を昭和61年、2号系列(出力:100万キロワット)を昭
和63年から、運転をしております。
今回増設する3・4号系列の発電設備は、ガスタービンの入口温度を従
来の1,100℃級から1,300℃級に高温化したガスタービンと蒸気タービンを
組合せた改良型コンバインドサイクル発電方式を採用することにより、世
界最高水準の発電効率約50%をめざすものです。
この発電効率の向上に加え、環境対策としては、燃料として硫黄酸化物
(SOx)及びばいじんの排出が全くないLNG(液化天然ガス)を使用
するとともに、窒素酸化物(NOx)については、ガスタービンの燃焼器
に最新の低NOx燃焼器の採用や、高性能の排煙脱硝装置を設置いたしま
す。また、既設の1・2号系列においてもガスタービンの燃焼器を
低NOx燃焼器に取替などを行うことといたします。
今回の計画にあたっては、景観調和、緑化にも十分配慮し、環境保全に
万全を期してまいります。
本計画に関しては、千葉県環境会議のご審議をいただいた後、資源エネ
ルギー庁の「環境影響調査要綱」ならびに千葉県の「環境影響評価の実施
に関する指導要綱」に従い、環境影響調査書ならびに環境影響評価準備書
を提出し、環境アセスメント手続きを行う予定です。
計画の概要は、以下のとおりです。
(注) 千葉県環境会議は、千葉県内における大規模開発計画について、
計画立案段階から環境保全の提言などを行うために平成4年6月に
設置されたもので、学識経験者をはじめとする委員の方々が環境保
全のあり方について検討を行うものです。
富津火力発電所3・4号系列増設計画の概要
- 所在地
千葉県富津市新富25番地
- 敷地面積
約116万平方メートル
- 発電設備
出 力 :152万キロワット×2系列(1系列4
軸構成)
発電方式 :改良型コンバインドサイクル発電方式
燃 料 :LNG(液化天然ガス)
- 燃料設備
LNGタンク:12.5万キロリットル×4基
LNGバース:79,000D.W.T級×1基
- 主な環境保全対策
〔大気関係〕
- 燃料は、LNGを使用しますので、硫黄酸化物及びばいじんは排出し
ません。
- 窒素酸化物対策については、ガスタ-ビンに最新の低NOx燃焼器を
採用するとともに高性能の排煙脱硝装置を設置します。また、既設設
備においても低NOx燃焼器に取替等の対策を行うことで環境への影
響を極力少なくします。
〔温排水関係〕
- 冷却水については、深層取水方式の採用及び既設設備を含めた水中放
水方式を採用することで環境への影響を極力少なくします。
〔景観・緑化など〕
- 建物、煙突などの形状、色彩などに配慮し、周辺環境との調和をはか
ります。
- 常緑広葉樹および落葉広葉樹等による樹林ならびに芝地をもうけるな
ど、緑豊かな環境づくりに努めます。
- 工期(予定)
着 工:平成10年度
運転開始:平成13年度
平成14年度
- 建設費概算
約6,000億円
〔参考〕既設設備の概要
区 分 |
1号系列(7軸) |
2号系列(7軸) |
出 力 |
100万キロワット |
100万キロワット |
運転開始 |
昭和61年 |
昭和63年 |
燃 料 |
LNG(液化天然ガス) |
|