平成7年10月23日
東京電力株式会社
当社は、本日、福島第一原子力発電所2号機(所在地:福島県双葉郡大
熊町、沸騰水型、定格出力78.4万キロワット)の定期安全レビューの報告
書を取りまとめ、通商産業省へ提出しました。
定期安全レビュー(PSR: Periodic Safety Review)は、自主保安活動の
一環として、既設の原子力発電所の安全性・信頼性のより一層の向上を目
的として、約10年ごとに、発電所での運転経験や技術的知見にもとづき、
原子力発電所の安全性等を総合的に評価するものです。
今回対象とした福島第一原子力発電所2号機は、昭和49年7月、当社で
二番目に営業運転を開始した沸騰水型軽水炉です。平成4年6月、通商産
業省より定期安全レビューの実施について要請もあり、福島第一原子力発
電所1号機に引き続いて(平成6年8月に既に報告)、これまで自主保安
として実施した活動の成果を、今回報告書として体系的に評価し、取りま
とめたものです。
福島第一原子力発電所2号機で実施した定期安全レビューの概要は次の
とおりです。
- 運転経験の包括的評価
具体的には、運転開始から現在に至るまでの各種の運転データ及び設
備や管理の改善状況等を整理した。この結果、設備利用率、計画外停止
の発生率、放射線業務従事者の線量当量、放射性廃棄物の発生量等は、
いずれも運転開始当初より改善されており、安全性・信頼性は高い水準
にあることを確認した。
- 最新の技術的知見の反映
運転開始以降、新たに得られた技術的知見が安全性向上のために適切
に設備に反映されているかどうかを評価した。この結果、最近の技術的
知見が設備の改善や原子炉の安全性評価手法などに適切に反映され、安
全性の向上が図られてきていることを確認した。
- 確率論的安全評価
平成6年3月に当該号機に関する評価結果を「アクシデントマネジメ
ント検討報告書」として、通商産業省に提出し、その技術的な検討が同
省においてなされ、当該原子炉施設の安全性を更に向上させる上で妥当
なものであると判断されている。
今回の定期安全レビューの結果、福島第一原子力発電所2号機の安全性
・信頼性が高い水準にあることを確認いたしました。これは、厳格な運転
管理や設備の更新・改良等を含む予防保全を基本とした適切な保守管理や
国内外の事故・故障等の経験に基づく再発防止策の的確かつ継続的な実施
による成果であると考えられます。
当社は、今回の定期安全レビューの結果を踏まえ、さらに原子力発電所
の安全性、ならびに安全に対する取り組みについて引き続き一層努力し、
社会の一層のご理解と信頼を得てまいりたいと考えております。
以 上
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