平成7年7月12日
東京電力株式会社
- 当社はこのたび、1994年度の環境問題に対する取り組みの実績や今後の
- 対応などについて、95年版「環境行動レポート」としてとりまとめました。
- 本レポートは、当社の環境保全策をできるだけ指標化した「環境指標」の
- 実績と今後の目標や、環境保全に向けての当社の取り組みなどを紹介する
- とともに、広くご意見を承り、今後の事業活動に活かしていく趣旨のもと
- に、1992年から毎年1回、最新データをとりまとめ公表しているもので、
- 今回で4回目となります。
- 1994年度の環境保全に関わる主な取り組みと特徴は以下の通りですが、
- 二酸化炭素(CO2)および硫黄酸化物(SOx)の排出原単位(1kWhの
- 電気を発電する時に発生する排出物質の量)が、前年度に比べ、若干増加
- いたしております。これは、94年度が記録的猛暑となり、電力需要が増加
- する一方、渇水により水力発電電力量が減少したため、火力発電電力量が
- 増加したことによりますが、いずれも94年度の目標値は達成いたしており
- ます。
- (1)CO2問題への取り組み
- 二酸化炭素(CO2)排出量は、炭素換算で前年度より240万トン増加し
- て2,530万トンとなり、排出原単位も前年度の87g-C/kWhから90g-C/kWh
- へと増加しました。
- 当社は、CO2の排出を抑制するために、原子力発電所を中心 とした電
- 源のベストミックスや発電熱効率の向上、送配電ロス率の低減などのさま
- ざまな方策を講じています。その結果、当社のCO2排出原単位は、原子
- 力推進国であるフランス、水力発電比率の高いカナダには及ばないものの、
- 欧米主要6か国平均に比べ7割以下と低い水準にあります。
- また、94年度はこれらの対策によって、CO2の排出を約2,800万トン余
- り抑制したものと試算されます。
- (2)大気保全への取り組み
- 硫黄酸化物(SOx)の排出原単位は、前年度の0.13g/kWhから0.14g/
- kWhへと増加しました。
- 一方、窒素酸化物(NOX)の排出原単位については、CO2やSOxと
- 同様の増加要因はありましたが、脱硝装置の設置などにより、前年度と
- 同じ水準(0.17g/kWh)を維持することができました。
- なお、これらの実績は、欧米主要6か国平均に比べても極めて低い水準
- となっています。
- (3)オゾン層保護への取り組み
- 規制対象フロン類の範囲が95年3月より拡大されたことにともない、今
- 回からフロンの実消費量のほかに、オゾン破壊係数を考慮した修正消費量
- でも管理することとしました。94年度も、オゾン破壊係数が小さい、また
- はオゾンを破壊しないフロンや非フロン系洗浄剤などへの切り替え、点検
- 時の回収装置の使用などを進めた結果、規制対象フロン類の消費量は実消
- 費量で44.2トンから40.0トンへ、また修正消費量でも25.7トンから23.7ト
- ンへとそれぞれ減少しました。
- (4)廃棄物問題への取り組み
- 産業廃棄物の処分量は、発生量の減少および再資源化率の維持によって、
- 前年度に比べ500トン少ない25,800トンとなりました。なお、当社の94年
- 度の再資源化率は89%であり、これは全国平均(91年度で39%)を大きく上
- 回っています。
- (5)緑化への取り組み
- 原子力発電所における緑地率は、前年度の55%から62%へと上昇し、火
- 力発電所においても27%の水準を維持しています。これは、工場立地法で
- 定める新設工場の緑地率(20%)を十分上回る値となっています。
- (6)支店、発電所などにおける環境保全への取り組み
- 支店や発電所などにおいても、資源のリサイクルや植物の保護・育成活
- 動など、環境保全にむけ、さまざまな取り組みを進めています。今回のレ
- ポートでは、これらの活動についても幅広く紹介しています。
- 当社は、今後もお客さまに対して良質な電気を安定的かつ経済的にお届
- けしていくこと、そしてかけがえのない地球環境の保全をはかっていくこ
- と、この二つを社会的使命として事業活動を展開していきます。
以 上
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