平成7年5月25日
東京電力株式会社
平成6年度におけるわが国経済は、個人消費や生産活動に持ち直しの
兆しがみられるものの、民間設備投資が総じて低迷を続けたことに加
え、阪神大震災の影響等もあり、景気回復の足取りはきわめて緩やか
なものにとどまりました。
当社の販売電力量は、このような経済動向のもとで、産業用需要が生
産活動の回復傾向を反映して3年ぶりに増加に転じましたが、なんとい
っても前年度の冷夏から一転して記録的な猛暑となったことによる冷房
需要などの大幅な稼働増があったため、高い伸びとなりました。
内訳としては、前年度に比べ、電灯は9.1%増の735億kWh、電力は
6.7%増の1,754億kWh、電灯・電力をあわせた総販売電力量は、7.4%増
と平成2年度以来4年ぶりの高い伸びを示し、2,489億kWhとなりまし
た。これにともない、電気料収入は、電気料金暫定引下げ措置を継続い
たしましたが、販売電力量の大幅な増加により、前年度比5.7%増の
4兆8,242億円、その他収益を加えた経常収益では、前年度比5.4%増の
4兆9,886億円となりました。
一方、支出面におきましては、設備の拡充に伴う減価償却費や修繕費
の増大に加え、需要増に対応した他社受電の拡大にともなう購入電力料
の増加などが重なりました。しかしながら、燃料費は、販売電力量の増
加や記録的な渇水による水力発電の減少があったものの、為替レートの
円高による燃料価格の低下や原子力発電の増加などがあったことによ
り、ほぼ前年並みの水準にとどまりました。また、支払利息について
も、金利の低下により負担減となりました。このような状況の中で、業
務運営全般にわたる合理化、効率化を徹底し、費用の増加の抑制に努め
た結果、経常費用は4兆7,797億円となりました。
以上により、経常利益は2,O89億円、当期利益は8O2億円となった次第
であります。
なお、当年度末の配当につきましては中間配当と同じく、1株につき
25円とすることといたしました。
以 上
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