トップページ > リリース・お知らせ一覧 > 報道関係各位一斉メール > 2015年 > 福島第一原子力発電所における高性能容器(HIC)ベント孔からの水の滴下について
2015年4月3日
東京電力株式会社
昨日(4月2日)午後1時頃に福島第一原子力発電所 第二保管施設において、協力企業作業員が、ボックスカルバート(※)内に収納されている高性能容器(HIC)の確認作業を実施していたところ、HICの上部に溜まり水があることを確認しました。
※ボックスカルバート
鉄筋コンクリート製の箱型保管施設
ボックスカルバート内には、HIC2基を収納
その後、HICに触れた際、HIC蓋外周部のベント孔より、水が滴下したことを確認しました。
なお、ボックスカルバート外への漏えいはなく、当該作業にあたった15名の作業員への汚染はありません。
現場確認の結果、2箇所のボックスカルバート(AJ5、AJ8)において、水溜まりがあることを確認しました。
・AJ5ボックスカルバート:床面(約15L)およびHIC蓋外周部(約10L)(1基)
・AJ8ボックスカルバート:HIC蓋外周部(約1L)のみ(1基)
また、AJ5およびAJ8ボックスカルバート内のHIC蓋外周部に溜まった水の分析結果は以下のとおりです。
【AJ5】
・セシウム134 1.9×10^0Bq/cm3
・セシウム137 6.8×10^0Bq/cm3
・全ベータ 3.0×10^3Bq/cm3
【AJ8】
・セシウム134 1.9×10^0Bq/cm3
・セシウム137 7.1×10^0Bq/cm3
・全ベータ 3.9×10^3Bq/cm3
【参考:HIC内水の放射能濃度】
HIC内の水については実際に分析を行っておりませんが、10^5Bq/cm3の原水(主にストロンチウム)を100倍程度濃縮した水(10^7Bq/cm3)を収納する設計となっております。
なお、これまでボックスカルバート内部については定期的に点検をしており、3月30日の点検において、協力企業はクレーンカメラにてAJ5ボックスカルバート内部床面に水溜まりがあることを確認し、3月31日に当社は報告を受けました。
3月31日に当該部のスミヤ採取・測定をした際に、目視にてHIC蓋外周部に水溜まりがあることを確認しました。
当社はHIC上部からの漏えいは考えづらいこと、また、スミヤ測定結果においてHIC蓋外周部は100kcpm超であったものの、床面は34kcpmであったことから、結露水と判断しておりました。ただし、線量があったことから、念のため、ボックスカルバート内の確認作業を翌日以降も継続としました。
4月1日は降雨の影響により、ボックスカルバート内に雨水が流入するため、作業を中止しました。
4月2日にHIC蓋外周部の溜まり水を回収した際、HIC蓋のベント孔から水が出てきたことを確認しました。また、他のボックスカルバート内も確認できる範囲で点検を実施したところ、AJ8ボックスカルバート内のHIC蓋外周部に少量の水溜まりがあることを確認しました。
今後、原因について調査するとともに、他のボックスカルバート内の状況確認も可能な範囲で実施していく予定です。
本件に関わる資料につきましては、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照願います。
URL:http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2015/images/handouts_150403_02-j.pdf
以 上
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