プレスリリース 2012年

福島第一原子力発電所1~3号機における原子炉注水量の低下について(続報)

平成24年9月13日
東京電力株式会社

 福島第一原子力発電所1~3号機については、常用原子炉注水系にて原子炉への注水を継続しているところですが、平成24年8月30日午後3時、定時のデータ確認において、1~3号機への原子炉注水量の低下が確認されました。
 原子炉施設保安規定*1においては、常用原子炉注水系について、原子炉の冷却に必要な注水量が確保されていることを「運転上の制限」*2として定めており、本事象を受け、1号機は午後3時7分、2号機は午後3時、3号機は午後3時5分、原子炉施設保安規定で定める「運転上の制限」を満足していないと当直長が判断しました。

平成24年8月30日お知らせ済み

 本事象が発生した平成24年8月30日以降、原子炉注水量を監視し必要に応じて注水量の調整を行うとともに、原因究明を行ってまいりましたが、その過程において、原子炉注水用の水保管用のバッファータンクに浮遊物等が確認されました。
 これを受け、9月8日から9月10日にかけて、水中ポンプを用いてバッファータンク内の浮遊物等の浄化作業を行い、弁に詰まりを起こす可能性のある異物を捕捉しました。
 今回の原子炉注水量の低下事象については、バッファータンク内に一時的に異物が流入し、これらが下流側の流量調整弁に詰まって流路を狭めたことによるものと推定しておりますが、バッファータンクの浄化作業開始以前の9月7日より流量低下は確認されておらず、弁に詰まりを起こす可能性のある異物について、バッファータンクの水を冷やしている空冷チラーのストレーナに捕捉されたことや弁操作等により流量調整弁の下流側に流れたことなどにより、浄化作業を開始した時点では、既に減少していたものと考えております。

 その後本日まで、引き続き原子炉注水量の監視を行ってまいりましたが、9月7日に流量調整を実施した以降、注水量が安定していること、および本日午前中にバッファータンクの水を冷やしている空冷チラーのストレーナを確認したところ、流量低下につながるような異物は確認されなかったことなどから、本日午後4時、運転上の制限を満足する状態に復帰したと当直長が判断しました。
 9月13日午後4時時点における原子炉注水量は、以下の通りです。

 ・1号機:4.8m3/時(必要注水量3.8 m3/時)
 ・2号機:6.7m3/時(必要注水量5.4 m3/時)
 ・3号機:6.8m3/時(必要注水量5.4 m3/時)

 今後も引き続き、冷温停止状態の維持、プラントの安全確保に万全を期してまいります。

以 上

*1 原子炉施設保安規定
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第37条第1項の規定に基づき、原子炉設置者による原子力発電所の安全運転及び安定状態の維持にあたって遵守すべき基本的事項(運転管理・燃料管理・放射線管理・緊急時の処置・「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理など)を定めたもので、国の認可をうけている。

*2 運転上の制限
 原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及び原子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や遵守すべき温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限という。保安規定に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転上の制限を満足しない状態が発生した場合は、要求される措置に基づき対応することになっている。


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