福島第一原子力発電所1~3号機における原子炉注水量の低下について
平成24年8月30日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所1~3号機については、常用原子炉注水系にて原子炉への注水を継続しているところですが、平成24年8月30日午後3時、定時のデータ確認において、1~3号機への原子炉注水量の低下が以下の通り確認されました。
・1号機:必要注水量4.3m3/時に対して注水量4.9m3/時(午後2時時点)から4.0m3/時に低下
・2号機:必要注水量6.1m3/時に対して注水量7.0m3/時(午後2時時点)から5.5m3/時に低下
・3号機:必要注水量6.1m3/時に対して注水量7.0m3/時(午後2時時点)から5.6m3/時に低下
原子炉施設保安規定*1においては、常用原子炉注水系について、原子炉の冷却に必要な注水量が確保されていることを「運転上の制限」*2として定めており、本事象を受け、1号機は午後3時7分、2号機は午後3時、3号機は午後3時5分、原子炉施設保安規定で定める「運転上の制限」を満足していないと当直長が判断しました。
本事象による運転上の制限を満足しない場合に「要求される措置」としては、常用原子炉注水系が運転上の制限を満足するように注水量を増加する又は待機中の原子炉注水ポンプを起動する措置を開始することが要求されており、現在、注水量の増加に向けて準備を進めております。
現時点で、モニタリングポストの値に有意な変動は確認されておりません。
今後、原因究明を行うとともに、必要な対策をはかってまいります。
以 上
*1 原子炉施設保安規定
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第37条第1項の規定に基づき、原子炉設置者による原子力発電所の安全運転及び安定状態の維持にあたって遵守すべき基本的事項(運転管理・燃料管理・放射線管理・緊急時の処置・「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理など)を定めたもので、国の認可をうけている。
*2 運転上の制限
原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及び原子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や遵守すべき温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限という。保安規定に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転上の制限を満足しない状態が発生した場合は、要求される措置に基づき対応することになっている。