柏崎刈羽原子力発電所に搬入された核燃料輸送物に封印がなかった事象の原因調査結果に関する経済産業省原子力安全・保安院への報告について
平成24年8月10日
東京電力株式会社
平成24年6月1日、当社柏崎刈羽原子力発電所において、新燃料の製造、輸送を行った原子燃料工業株式会社(以下、「原燃工」、所在地:茨城県東海村)が、当社立ち会いのもと、同年5月30日に同社が輸送した1号機用新燃料を原子炉建屋内に搬入する作業を行っていたところ、新燃料2体が収められた新燃料輸送容器*11箱の外側容器にある封印*2がされていないことを確認いたしました。
その後、原燃工とともに新燃料輸送容器の内側容器の封印状況を確認したところ、内側容器の封印は適切に実施されていることを確認するとともに、内側容器内の新燃料2体を確認した結果、所定の燃料であることを確認しております。
本件を受けて、同日、経済産業省原子力安全・保安院(以下、「同院」)より、当社および輸送を実施した原燃工に対して以下の内容について調査するように口頭指示を受けました。
・核燃料輸送物を運搬した原燃工が封印を確実に実施したか否か
・原燃工東海事業所から当社柏崎刈羽原子力発電所への運搬中および運搬後の保管管理が適切になされていたか否か
その後、当社は、柏崎刈羽原子力発電所入構後における新燃料輸送容器の運搬および運搬後の当社における保管管理状況について、当社監理員および構内運搬を請負った協力企業への聞き取り調査並びに現場確認を行いました。その結果、同発電所内において、当該封印が外された形跡や封印の脱落に至る要因は確認されず、同発電所内での運搬および運搬後の保管管理状況に問題はありませんでした。また、当社は、原燃工より封印の実施の有無および原燃工東海事業所から同発電所までの運搬における保管管理状況について、「当該輸送容器の梱包作業段階で封印を取り付けていなかった」旨の報告を受けました。
これらの調査結果より、本件は、当社へ納品前の原燃工の管理下において発生した封印漏れであるものの、当社原子力発電所の核物質防護に関する安全管理・品質管理にも関係することから、当社は原燃工に対して厳重に注意し、再発の防止を求めました。
当社は、同発電所入構後の運搬および運搬後の保管管理状況に問題がなかったことについて、本日、同院へ報告いたしました。
当社は、今後、適切に再発防止対策が実施されているか、原燃工に対して定期的に外部監査を行い、さらなる安全管理・品質管理の向上を徹底してまいります。
以 上
○別紙
柏崎刈羽原子力発電所に搬入された核燃料輸送物に封印がないことの事象の要因調査結果(報告書)(PDF 4.64MB)
*1 新燃料輸送容器
二重構造となっており、外側容器と内側容器で構成されている。
*2 封印
原子炉等規制法に係る核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則において封印を実施することが定められている。