プレスリリース 2012年

(お知らせ)福島第一原子力発電所危険物屋外貯蔵タンクにおける変圧器油の漏えいに関する調査結果について

平成24年7月27日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所

 平成23年10月23日午後2時頃、当社社員が当所構内の野鳥の森にある主変圧器*1用の油を仮貯蔵するタンクにおいて、防油堤の外に油らしきものが溜まっていることを確認しました。翌24日、現場において防油堤内に溜まった水の中に油膜があることと、防油堤内の水があふれ出た跡に油が溜まっていることを確認したため、10月23日に確認された油は、防油堤内への雨水の流入によって堤外に流れ出たものと推定しました。

 防油堤内が水で満たされた状態では当該タンクの調査ができないことから、防油堤内の水の移送処理及び油の吸着処理を行い、水位を低下させて、タンクの状況を確認したところ、平成24年6月25日、9基中1基のタンクの油面計下部から油が漏れており、その他4基のタンクの油面が低下していることを確認しました。同日、全てのタンクの油面計元弁を閉じたことで油漏れは止まっております。また、油面が低下していることを確認した6月25日までの期間にタンクより漏れた油の量は、約39キロリットルと推定しました。他の箇所からの漏えいについても調査中です。

平成23年10月24日平成24年6月30日お知らせ済み)

 その後、各タンクの貯蔵量を、再度、調査した結果、新たに2基のタンクからの漏えいが確認され、漏えい箇所が確認されたタンクは計3基で、油面の低下しているタンクは9基のうち合計6基となり、漏れた油の合計は約40キロリットルと再評価しました。残りの3基については、現場の確認や漏えい試験を実施しましたが、漏えい箇所の特定には至っておりません。しかし、油面の低下が見られたことから、何らかの原因で油の漏えいがあったものと推定しております。
 また、気象庁による降水量データにより、漏えい時期を推定したところ、防油堤内に溜まった油の混ざった水は、平成23年9月頃に防油堤外へ溢れ出たと推定しました。防油堤内において、現在までに吸着マット等により回収できた油が約4キロリットルであるため、最終的に防油堤外に漏れた油の量は、最大約36キロリットルと推定しております。
 防油堤外へ漏れたと想定している最大約36キロリットルの油は、大部分が防油堤周囲の土壌へ染み、残りの一部は排水溝に漏れた可能性があるが、防油堤近傍の排水溝の先が閉塞していること、その周辺土壌に油が流れた形跡がないことから、海洋へは流出していないものと考えております。

 タンクから漏えいした油は、震災前に福島第一原子力発電所4号機主変圧器取替工事に伴い変圧器から抜き取った絶縁油であり、微量のPCB(ポリ塩化ビフェニル)*2を含有しているため、今後、関係各所とご相談しながら対応を進めてまいります。

以 上

添付資料:「福島第一原子力発電所構内の「野鳥の森」における危険物屋外貯蔵タンクからの変圧器絶縁油の漏えいについて」(PDF 110KB)

*1 主変圧器
 発電機で発生した電圧を送電電圧に昇圧する変圧器。

*2 PCB
 ポリ塩化ビフェニルのことで、水に溶けず化学的に安定、絶縁性が良い、沸点が高いなどの性質を持つ、工業的に合成された化合物。かつては絶縁油として使用されたが、人体への毒性や環境への残留性が問題となり、1972年以降生産が中止されている。


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