柏崎刈羽原子力発電所における長期停止中プラントの計測制御設備の保守管理不備に係る経済産業省原子力安全・保安院への報告について
平成24年３月16日
東京電力株式会社
当社は、新潟県中越沖地震によりプラント停止が長期化している柏崎刈羽原子力
発電所２～４号機の計器について、社内の自主管理として「追加の点検・校正」を
実施することとし、平成21年８月にその管理の目安時期（27ヶ月毎、34ヶ月毎）を
定めておりましたが、同発電所２～４号機の主要な計器の点検・校正時期について
調査を行ったところ、追加の点検・校正の目安時期を過ぎている計器が多数確認さ
れました。（表１）
本件について、平成24年３月９日、経済産業省原子力安全・保安院より、「東京
電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所計測制御設備の保守管理不備に係る対応につい
て（指示）」の指示文書
＊を受領したことから、指示に基づく対応を速やかに実施
し、同院へ報告することとしました。 （
平成24年３月９日お知らせ済み）
当社は、指示文書に基づき、同発電所２～４号機で確認された点検・校正の目安
時期を過ぎた主要な計器のうち、保安規定でプラント停止中に機能要求がある計93
台について健全性の確認および安全性への影響評価を実施したところ、いずれも
「健全性に問題がない」または「プラントの安全性への影響がない」と評価したこ
とから（表２）、これらの内容について、本日、同院に報告しましたのでお知らせ
いたします。
なお、プラントの安全性への影響がないと評価した８台のうち５台の計器（２号
機１台、３号機２台、４号機２台）は、すべて同一型式の流量計であり、点検にあ
たってはパッキンなどの消耗品等の交換が必要となることから、物品の調達上速や
かに分解点検を実施することができませんが、計器の継続使用にともなう誤差が生
じにくい構造となっており、前回の分解点検以降１日１回パトロールを実施し不具
合なく正常に動作していることを確認しております。
当社は、引き続き、プラント停止の長期化にともない点検等が必要となる設備の
うち、点検計画自体が立案されていない設備や、計画に基づく点検の目安時期を過
ぎた設備がないか調査を行い、平成24年４月９日までに同院へ報告してまいります。
以 上
添付資料：
プラントの安全性への影響評価の概要について（PDF 36.2KB）
＊指示文書
「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所における計測制御設備の保守管理不備
に係る対応について（指示）」
（平成24・03・09原院第２号）
原子力安全・保安院（以下「当院」という。）は、東京電力株式会社柏崎刈羽原
子力発電所（以下「柏崎刈羽原子力発電所」という。）に対し、平成24年２月27日
から同年３月９日まで、平成 23年度第４回保安検査を実施しました。
今回の保安検査において、柏崎刈羽原子力発電所第２号機、第３号機及び第４号
機の計測制御設備における長期停止に伴う特別な保全計画に基づく保守管理活動の
実施状況について確認を実施したところ、貴社が特別な保全計画の具体的な運用を
検討し、点検計画において定めることとしていた計測制御設備の個別の計器等に対
する点検間隔が定められていませんでした。
また、個別の計器等に対する点検間隔について、技術的な検討はなされていたも
のの、その結果として得られていた点検間隔を超過して点検が行われていない計器
等が多数存在していることを確認しました。このため、当院は、貴社に対し下記の
対応を求めます。
記
１．柏崎刈羽原子力発電所第２号機、第３号機及び第４号機に対する保安検査にお
いて確認された点検間隔を超過している計器等のうち、保安規定でプラント停止
中に機能要求がある系統に属する計器等に対しては、速やかに健全性の確認及び
安全性への影響評価を行い、平成24年３月16日までに当院に対して報告すること
を求めます。
２．１．の他に、柏崎刈羽原子力発電所第２号機、第３号機及び第４号機において、
プラントの長期停止により保全が要求される機器等の全てについて、点検計画が
立案されていない機器等及び立案されているが当該計画に基づく点検間隔を超過
して点検が行われていない機器等がないかを確認し、平成24年４月９日までに当
院に対して報告することを求めます。
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