プレスリリース 2012年

福島第一原子力発電所免震重要棟(一部)を非管理区域として運用することに関する経済産業省原子力安全・保安院への報告について

平成24年4月26日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故以降、同発電所構内を放射線管理区域と同等の管理を行う「管理対象区域」として定め、事故収束に向けた作業を行ってまいりました。また、同発電所構内にある免震重要棟も、事故発生初期に外気とともに免震重要棟内に流入した放射性物質や窓面からの放射線の影響から、管理対象区域として管理してまいりました。

 当社は、これまでの事故収束の作業や廃止措置に向けた取り組みを実現する作業の拠点である免震重要棟において安心して働ける作業環境に改善するため、免震重要棟内の放射線量率や放射性物質による汚染状況等の改善を図ってまいりました。

 特に、プラントの安定を維持する上で、被ばく線量が100mSvを超えているものの、高度な専門知識および現場経験を有する作業員が、現場に近い免震重要棟において、指揮・命令等の業務を継続して行うことが欠かせないため、特例省令廃止*1に伴う移行期間終了時(平成24年4月30日)までに完成することを目的として、免震重要棟の必要な範囲について除染等線量低減対策を実施してまいりました。
 その結果、現在、免震重要棟の一部は、管理区域と同等の管理を要しない区域、いわゆる「非管理区域*2」として運用できる状況にあることを確認しております。

 以上のことから、免震重要棟の一部を区画し、非管理区域として管理・運用することについての検討結果をとりまとめて、本日、経済産業省原子力安全・保安院に「福島第一原子力発電所免震重要棟の一部を管理区域と同等の管理を要しないエリアとして運用することについて」として報告いたしました。

 免震重要棟の一部を非管理区域として運用していくことについて、今後、関係機関と調整の上、準備が整い次第、開始したいと考えております。

 引き続き、当社は福島第一原子力発電所のプラントの安定状態の維持に取り組むとともに、敷地内の線量低減並びに非管理区域の拡大に取り組んでまいります。

以 上

添付資料
福島第一原子力発電所免震重要棟(一部)の非管理区域化について(PDF 120KB)
福島第一原子力発電所免震重要棟の一部を非管理区域として運用することについて(PDF 106KB)

*1 特例省令廃止
 特例省令(「平成二十三年東北地方太平洋沖地震に起因して生じた事態に対応するための電離放射線障害防止規則の特例に関する省令」)は、福島第一原子力発電所での災害の状況に鑑み、原子力災害の拡大を防止するため、今回の事態に限り、緊急作業に従事する労働者の被ばく線量の上限を、250mSvに引き上げることを定めた省令です。

*2 非管理区域
 管理区域は、法令に定める管理区域に係る値(外部放射線に係る線量、表面汚染密度、空気中放射性物質濃度)を超えるか超えるおそれがあり、特別な管理(放射線管理)を必要とする区域で、非管理区域は管理区域外の区域です。


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