東北地方太平洋沖地震による影響などについて
【午後3時現在】
平成24年2月17日 東京電力株式会社 平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震 により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、 立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけし ておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。 福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を 取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となって いること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性 物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いた しました。 また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた 中長期ロードマップを取りまとめました。 プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて 必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰 宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り 組んでまいります。 当社設備への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。 ※下線部が新規事項
【原子力発電所】 ・福島第一原子力発電所 1~3号機 地震により停止中 (4~6号機については地震発生前から定期検査中) ※2月17日午前8時46分、第二セシウム吸着装置において、徐々に処理流量に低 下傾向が見られることから、フィルタの逆洗をするため、当該装置を一時停止。 同日午前10時59分に同装置を起動し、午前11時5分、定常流量(約36.4m3/h)
に到達。
※2月17日午前11時33分、3号機原子炉注水量について、現在の注水量は崩壊熱
相当の注水量に対し裕度があることから、2号機の注水量増加により増えた滞
留水の移送および処理の軽減を目的として、炉心スプレイ系からの注水量を約
6.0m3/hから約5.0m3/hに変更。また、注水量の変動が確認された、給
水系からの注水量を約2.9m3/hから約3.0m3/hに調整。 ※2月2日以降、原子炉圧力容器底部の温度上昇の傾向が大きくなった2号機に ついて、温度の上昇傾向が継続していたため、2月12日午後2時10分より、注 水量増加操作を実施していた*1が、当該温度指示値が80℃を超えて82℃であ ることを確認したため、午後2時20分、保安規定に定める運転上の制限*2で ある「原子炉圧力容器底部温度80℃以下」を満足していないと判断。運転上の 制限を満足させる措置に移行し、注水量の増加を実施。その後も温度の上昇傾 向が継続したことから、2月13日、原子炉圧力容器底部温度を監視している計 器の調査を実施。調査の結果、直流抵抗値が通常時と比較して高いことから、 断線の可能性が考えられ、その後、当該計器の健全性について最終的に評価し た結果、当該計器は故障していたものと判断。このため、2月17日午後2時、
原子炉圧力容器底部温度は実際に上昇していたものではないと判断し、保安規
定に定める運転上の制限からの逸脱判断を2月12日時点にさかのぼって訂正。
また、当該計器を保安規定に定める原子炉圧力容器底部温度の監視対象から除
外し、他の計器により引き続き温度を監視することとした。
*1 原子炉施設保安規定第12章「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管 理においては、「運転上の制限」や「運転上の制限を満足しない場合に要 求される措置」等が定められており、運転上の制限を満足していない場合 には、要求される措置に基づき対応することになっている。今回の場合は、 保全作業の実施のため計画的に運転上の制限[任意の24時間あたりの原子
炉注水量増加幅1.0m3/h 以下]外に移行(2月12日午後1時55分から)し
ていたが、その後、2月17日午後2時、運転上の制限[原子炉圧力容器底
部温度80℃以下]を満足している状態であったと判断して運転上の制限か
らの逸脱判断を訂正。併せて計画的な運転上の制限外への移行の適用を解
除。
*2 原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及 び原子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や 遵守すべき温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限 という。保安規定に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転 上の制限を満足しない状態が発生した場合は、要求される措置に基づき対 応することになっている。 ※2月14日より2月17日までの予定で、6号機補機冷却海水系ポンプのストレー ナ切替弁の点検作業を行うため、2月14日午前10時2分、使用済燃料プール冷 却浄化系(B)による使用済燃料プールの冷却を停止し、同日午前10時6分、 補機冷却海水系(A)ポンプを停止(停止時使用済燃料プール水温度:約23℃)。 作業期間中は使用済燃料プール冷却系が停止しているため、残留熱除去系によ る原子炉と使用済燃料プールの交互冷却を実施。2月17日午後2時7分、点検
作業が終了したため、補機冷却海水系(A)ポンプを起動し、同日午後2時53
分、使用済燃料プール冷却浄化系(B)による使用済燃料プールの冷却を再開
し、通常の冷却状態に復帰(交互冷却期間中の最大温度:原子炉水温度33.6℃、
使用済燃料プール水温度29℃)。
・福島第二原子力発電所 1~4号機 地震により停止中 ・柏崎刈羽原子力発電所 6号機は通常運転中 (1~5、7号機は定期検査中) 【火力発電所】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【水力発電所】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【流通設備等への影響】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【電力需給への影響】 今冬につきましては、柏崎刈羽原子力発電所5号機の定期検査などの減少要因が あるものの、一方で、地震により被災した共同火力の一部運転開始などの増加要因 を織り込んだ結果、5,370万kW(2月末)の供給力を確保できる見通しとなりまし た。 なお、これは、昨年冬期の最大電力である5,150万kWに対して220万kW程度の供給 予備力を確保できることになります。 今冬は安定供給を確保できる見通しですが、電源の計画外停止や急激な気温の変 化による需要増加の可能性もあることから、お客さまにおかれましては、無理のな い範囲での節電へのご協力をお願いいたします。 当社は、引き続き計画停電の「原則不実施」を継続するために、供給力を着実に 確保するとともに、電力設備の確実な運転・保守に努めてまいります。 以 上 添付資料 ・過去の実績(平成23年8月1日以降)(PDF 550KB)
参考資料(最終更新日時:平成23年8月19日午前9時) ・過去の実績(平成23年3月11日~7月31日)(PDF 448KB)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績
ファイル】ページをご覧ください。