プレスリリース 2012年

福島第一原子力発電所2号機における一連の原子炉圧力容器底部温度上昇事象を踏まえた今後の原子炉注水量操作について

                             平成24年2月17日
                             東京電力株式会社

 福島第一原子力発電所2号機の原子炉圧力容器底部温度については、平成24年2
月2日以降、1箇所において、緩やかな上昇傾向を示していたことから、原子炉注
水量の変更操作ならびに温度の傾向監視を行っておりましたが、2月12日午後2時
15分頃、当該温度指示値が82℃に到達したことを確認しました。
 そのため、同日午後2時20分、原子炉施設保安規定*1で定める「運転上の制限」*2
を満足していないと判断するとともに、「要求される措置」*3として、注水量増
加による再臨界防止対策としてホウ酸水の注入を実施したうえで、炉心スプレイ系
からの注水量を約6.9m3/時から約9.9m3/時に増加する操作を実施しました。また、
給水系からの注水量に変動が見られたことから、本操作にあわせて、注水量を約7.2
m3/時から約7.5m3/時に調整しました。
                     (平成24年2月12日お知らせ済み)

 当社は、2月13日、経済産業省原子力安全・保安院より、「東京電力株式会社福
島第一原子力発電所第2号機原子力圧力容器底部における温度上昇を踏まえた対応
に係る報告の徴収について」の指示文書*4を受領し、2号機原子炉圧力容器底部
における温度上昇に関して、当該温度計の指示値の挙動に対して想定される要因等
を取りまとめ、2月15日、同院へ報告しました。
 2号機原子炉圧力容器下部温度指示値が上昇した事案を調査した結果、当該温度
計は故障していたものと判断しました。
                (平成24年2月14日2月16日お知らせ済み)

 当社は、本日午後2時、当該計器に係る調査結果より、2号機の原子炉圧力容器
底部温度に係る原子炉施設保安規定で定める「運転上の制限」の逸脱にあたらない
と判断したことから、2月12日時点にさかのぼって、当初の判断を訂正いたしまし
た。
 また、当該温度計について、保安規定第138条に定める原子炉圧力容器底部温度
の監視対象から除外することとし、他の温度計により原子炉圧力容器底部温度を監
視するとともに、原子炉内が未臨界状態であることを継続的に確認してまいります。
 2号機への原子炉注水量につきましては、準備が整い次第、減少操作を実施する
こととしております。
 今後も引き続き、冷温停止状態の維持、プラントの安全確保に万全を期してまい
ります。

                                  以 上

*1 原子炉施設保安規定
  核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第37条第1項の規定に
 基づき、原子炉設置者による原子力発電所の安全運転及び安定状態の維持にあた
 って遵守すべき基本的事項(運転管理・燃料管理・放射線管理・緊急時の処置・
 「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理など)を定めたもので、国の認
 可をうけている。

*2 運転上の制限
  原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及び原
 子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や遵守すべき
 温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限という。保安規定
 に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転上の制限を満足しない状
 態が発生した場合は、要求される措置に基づき対応することになっている。

*3 要求される措置
  原子炉施設保安規定第138条では、原子炉圧力容器底部温度について、80℃以
 下であることが要求されており、80℃を超えた場合は、速やかに当該温度につい
 て運転上の制限を満足させる措置を開始することが定められている。

*4 指示文書
  東京電力株式会社福島第一原子力発電所第2号機原子炉圧力容器底部における
 温度上昇を踏まえた対応に係る報告の徴収について
                       (平成24・02・13 原第20号)

  当省は、貴社に対して、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法
 律(昭和32年法律第166号)第67条第1項の規定に基づき、下記の事項について
 平成24年2月15日までに報告するよう命ずる。
  この処分について不服がある場合には、行政不服審査法(昭和37年法律第160
 号)第6条の規定 に基づき、この処分があったことを知った日の翌日から起算
 して60日以内に、書面により経済産業大臣に対して異議申立てをすることができ
 る。ただし、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内であって
 も、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると、処分の異議申立てをするこ
 とができなくなる。
  この処分の取消しの訴えは、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定
 により、上記の異議申立てに対する決定を経た後に、当該異議申立てに対する決
 定があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に、国(代表者法務大
 臣)を被告として提起することができる。ただし、当該異議申立てに対する決定
 があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内であっても、当該異議申
 立てに対する決定の日の翌日から起算して1年を経過したときは、処分の取消し
 の訴えを提起することができなくなる。
  なお、次の(1)から(3)までのいずれかに該当するときは、当該異議申立
 てに対する決定を経ないで、この処分の取消しの訴えを提起することができる。
 (1)異議申立てがあった日の翌日から起算して3か月を経過しても決定がない
 とき。(2)処分、処分の執行または手続の続行により生ずる著しい損害を避け
 るため緊急の必要があるとき。(3)その他決定を経ないことにつき正当な理由
 があるとき。

                  記

  貴社福島第一原子力発電所における原子炉圧力容器底部の温度を監視している
 温度計に関して、次に掲げる事項

 1.同発電所第2号機原子炉圧力容器底部の温度計の一つの指示値が平成24年2
   月2日以降上昇傾向が継続したこと等当該温度計の指示値の一連の挙動に関
   して想定される要因
 2.現在使用されている温度計以外に原子炉内の温度を監視するための代替手段
 3.原子炉内の圧力及び温度分布の解析等原子炉内の状態を評価するための手法
 4.同発電所における原子炉の冷温停止状態の維持を確認する際に根拠とする指
   標及びその適用の考え方 

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