東北地方太平洋沖地震による影響などについて
【午後3時現在】
平成24年4月6日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いたしました。
また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを取りまとめました。
プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
当社設備への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。
※下線部が新規事項
【原子力発電所】
・福島第一原子力発電所 1~3号機 地震により停止中
(4~6号機については地震発生前から定期検査中)
※4月5日午前10時、6号機タービン建屋地下の溜まり水について、仮設タンクへの移送を開始。同日午後4時、移送を停止。
※4号機使用済燃料プール代替冷却システムにおいて、一次系循環ポンプの吸込圧力が低下傾向にあったことから、4月6日午後1時14分、当該ポンプの吸込側ストレーナのフラッシングを行うため、当該ポンプを停止し、使用済燃料プールの冷却を一時停止。(停止時 プール水温度:約25℃)。予想される温度上昇は約0.5℃/h(停止時間は約3時間の予定)であり、使用済燃料プール水温度の管理に問題なし。
※4月5日午前1時5分頃、淡水化装置(逆浸透膜式)から濃縮水を濃縮水貯槽に送る流量が上昇したことから、水の漏えいの可能性があるため、午前1時10分頃、同装置を手動にて停止。水の漏えいを防ぐために、午前1時45分頃、淡水化装置から濃縮水を濃縮水貯槽に送る配管(耐圧ホース)の前後にある弁を閉止。当社社員が現場を確認したところ、午前1時50分頃、同配管からの水漏れが確認されたが、淡水化装置の停止および弁を閉めたことにより、午前2時20分頃、漏えいが停止していることを確認。また、耐圧ホース保温材より漏えいしていたことを確認したことから、保温材を外したところ、接続フランジ部から耐圧ホースが外れていることを確認。約12m3の濃縮水が、一般排水用の排水溝を経由して、海へ流出している可能性があることから、漏れた水、排水溝内の水および1~4号機側放水口から南側に約300m離れた一般排水用の排水溝出口付近の海水について、サンプリングを実施。その結果、漏れた水、排水溝内の水からガンマ線核種および全ベータ放射能が検出されたものの、排水溝出口付近の海水は検出限界未満であることを確認。また、同日実施した発電所敷地他沖合のサンプリングの結果、ガンマ線核種及び全ベータ放射能について検出限界未満であることを確認。なお、淡水化装置(逆浸透膜式および蒸発濃縮装置)は運転を停止しているが、淡水化処理した水は十分にあることから、原子炉注水への影響はない。
※4月5日午前1時5分、第二セシウム吸着装置において、警報が発生し同装置が自動停止。現場を確認した結果、漏えいがないことを確認。装置の停止原因は、第二セシウム吸着装置の操作パネル(タッチパネル)の「モード切替ボタン」に運転員が誤って接触したことであり、これにより自動停止したものと判明。
※4月5日午後1時20分、4号機原子炉ウェルへ炉内計装配管を用いたヒドラジンの注入を開始。同日午後4時25分、注入を終了。
※3月20日午前10時14分、2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(雑固体廃棄物減容処理建屋[高温焼却炉建屋])へ溜まり水の移送を開始。4月6日午前9時43分、移送を終了。
※4月6日午前10時8分、2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ溜まり水の移送を開始。
・福島第二原子力発電所 1~4号機 地震により停止中
※2月14日午前10時8分、3号機原子炉格納容器および内部設備等の健全性を確認するため、所員用エアロック(格納容器内に人が出入りするためのハッチ)を開放し、目視点検を開始。4月5日、目視点検が一通り完了。その結果、原子炉冷却材の漏えいがないこと、また、格納容器内の各設備・機器・配管等に大きな変形・損傷等はなく、冷温停止機能に影響を及ぼすものはないことを確認。なお、プラント停止後の一時的な高温環境の影響による格納容器内面塗装面の一部はがれや、湿度環境等の影響による一部機器表面の錆等が見られたものの、いずれも冷温停止機能に影響を与えるものではない。今後、格納容器内も含め、機器等の詳細調査を実施する予定。
※4月6日午前9時28分頃、1号機原子炉建屋6階(管理区域*1)において、スタッドテンショナ*2の点検準備を行っていた協力企業作業員が、同設備を設置してある床面に油が漏えいしていることを発見し、午前9時42分頃、当社より双葉広域消防本部へ連絡。その後、消防本部による現場確認を受け、午後0時40分、当該油漏れについては消防法に基づく危険物施設からの漏えいには該当しないと判断される。また、発見した時点で油の漏えいは停止していた。漏れた油は同設備の作動油約250リットルで、その内、床面(堰内)に約32リットル、残りの約218リットルはファンネル*3から除染廃液受けタンク*4へ流入したものと推定。本事象による外部への放射能の影響はない。
*1 管理区域
放射線による無用な被ばくを防止するため、また、放射性物質による放射能汚染の拡大防止をはかるために管理を必要とする区域。
*2 スタッドテンショナ
原子炉圧力容器蓋の止めボルト取扱装置。
*3 ファンネル
各建屋の配管や機器からの排水を受けるタンクに導くために、水をうけるための中間枡。
*4 除染廃液受けタンク
機器等を除染した廃液を受けるタンク。
・柏崎刈羽原子力発電所 1~7号機 定期検査中
【火力発電所】
・電気の供給については、すべて復旧済み
(ただし、設備損傷箇所については、適時対応中)
【水力発電所】
・電気の供給については、すべて復旧済み
(ただし、設備損傷箇所については、適時対応中)
【流通設備等への影響】
・電気の供給については、すべて復旧済み
(ただし、設備損傷箇所については、適時対応中)
【電力需給への影響】
4月は安定供給を確保できる見通しです。
日々の需給状況は「でんき予報」でお知らせしてまいります。
以 上
- 添付資料
- ・過去の実績(平成23年8月1日以降)(PDF 615KB)
- 参考資料(最終更新日時:平成23年8月19日午前9時)
- ・過去の実績(平成23年3月11日~7月31日)